日産自動車(以下「日産」)は11月9日、2021年度上期の連結決算を発表した。
売上高は、前年から8,543億円改善し、3兆9,470億円。営業利益は前年から2,979億円増加し、1,391億円となった。
当期純利益は前年から4,986億円改善し、1,686億円。持分法適用会社の改善で増加した営業外利益と第四半期に売却したダイムラーAG株の利益を含めた特別項目の改善が寄与している。
また、第2四半期のグローバル販売台数は、厳しい外部環境の影響により、重点市場では市場の動きを上回る販売実績を記録したものの、前年から10%減少して95万4,000千台。最も外部環境が厳しい欧州では、販売台数は前年比31.3%減の81,000台に留まった。
なお、2021年度上期のグローバル販売は200万2,000台となった。
2021年度業績見通しでは、グローバル販売台数を前年見通しの440万台から380万台に。また販売台数の減少により、売上高は前回見通しから9,500億円減少、9.7%減の8兆8,000億円へと下方修正した。
一方で、サプライチェーンの課題はあるものの、上半期の実績を踏まえ、7月に発表した通期見通しの営業利益1,500億円から1,800億円に。当期純利益は前回から1,200億円改善した1,800億円に上方修正している。
営業利益は、為替変動に加え、継続的な販売パフォーマンスの改善が主な増益要因となっている。半導体の供給不足は引き続き全体需要に影響し、販売台数は減少するものの、販売の質の向上と販売金融事業の収益性の改善等、販売パフォーマンスの強化によって減益分を相殺し、増益となることを見込んでいる。
また、当期純利益の上方修正は、営業利益の増加に加え、持分法適用会社の利益改善によるもの。
現在、日産では「Nissan NEXT」のもと、事業構造を改革し、事業の適正化を進め、コア市場とコア商品に集中。そして同時に、財務規律を徹底し、「量」より「価値」を優先する意識改革を進めている。
また11月29日には、日産の戦略とNissan NEXT以降の電動化を含めた重点活動の方向性を示す、長期ビジョンを発表する予定。
CEOの内田 誠は、「上期の好調な業績は、厳しい市場環境の中においても、財務規律を徹底し、新車攻勢とともに販売の質の向上等に継続して取り組んできた結果です。今回、業績見通しを修正した通り、当社は事業構造改革『Nissan NEXT』のマイルストーンの一つである2021年度比例連結ベースでの営業利益率2%を確実に上回る見込みです。今後も気を緩めることなく『Nissan NEXT』をグローバルで着実に推進することで、同計画の目標である2023年度比例連結ベース注3での営業利益率5%の達成につなげていきたいと考えています」と述べている。