日産自動車は11月28日、フルモデルチェンジした新型「セレナ」を発表した。発売は、ガソリンエンジンモデルが今冬から、e-POWERモデルは来春からになるという。価格( 税込 )は、ガソリンエンジンモデルが276万8,700円から。e-POWERモデルが319万8,800円から。
刷新されたセレナのパワーユニットは、新開発の3気筒1.4リットルに電動モーターを組み合わせた第2世代e-POWERと、4気筒2.0リットルの自然吸気ガソリンエンジン搭載車の2タイプ。
いずれも車体の設計コンセプトは共通であり、初代から日産がセレナに設定してきた〝BIG( 室内空間 )〟、〝EASY( 快適性 )〟、〝FUN( 愉しさ )〟のコンセプトを踏襲しつつ、搭載装備の機能充実を図ったとしている。
なお今モデルから最上位グレードとして新設定した「e-POWER LUXION( ルキシオン )」に関しては、先進運転支援システム「プロパイロット2.0( 日産コネクトサービスメニューのプロパイロットプラン加入が必要 )」を、日産製ミニバンとして初搭載した( 高速道路同一車線走行時、時速40キロ以上の速度でハンズオフ機能を利用出来る )と謳っている。
発表会の壇上で日産の星野副社長( 国内の販売戦略を統括 )は「家族全員でのかけがえのない時間を少しでも多く大切に過ごして欲しい、セレナを通じて家族の時間を最大限楽しんで欲しいとの想いで新型セレナを企画・開発して参りました。
『今日のお出かけ、楽しかったね!』、『今度はもっと遠くに行ってみたい!』、などといった親子の笑顔溢れる会話が自然と生まれるようなドライブを楽しんで頂きたい。新型『セレナ』には、そんな想いとこだわりを詰め込みました」と述べていた。
[主な特長は以下の通り]
<先進機能:運転支援>
・「プロパイロット」自体は全車標準装備としているものの、「プロパイロット2.0」に限っては最上位グレードのe-POWER LUXION( ルキシオン )で標準搭載としている。
・前方障害物を回避する際に、ドライバーのステアリング操作を支援する「衝突回避ステアリングアシスト」を搭載( 日産車初搭載 )。
・駐車した事のある場所を駐車枠として記録し、記録した駐車位置に近づくと、ボタン一つでステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動制御するメモリー機能付き「プロパイロット パーキング」を搭載( 日産車初搭載 )。また「e-POWER LUXION」には、リモコン操作で車の出し入れが可能な「プロパイロット リモート パーキング」を搭載。
<動力性能:第2世代e-POWER>
・新開発の3気筒1.4リットル e-POWER専用エンジンを組み合わせた第2世代の「e-POWER」を搭載。エンジンの作動音を抑制に腐心し、パワフルな加速性能の実現を目指した。
上位車種のe-POWERユニット搭載車には、車両状態や走行環境に加え、ナビと連携しながらエンジン作動タイミングを制御するエネルギーマネジメント技術( ナビ情報を基に目的地付近でEV走行できるよう経路上での充放電をマネジメントする )を採用。
これによりエンジンの作動頻度を低減させて静粛性を確保。また車体の遮音性能を向上させる事で後部座席の乗員とも会話のしやすい室内環境を目指したとしている。
<快適性能:クルマ酔い軽減技術>
・第2世代「e-POWER」+サスペンションの刷新により車体の動きを滑らかにした。またシート設計を改善して車体の揺れの伝達を抑える配慮を施し、クルマ酔いに繫がる頭部の急な揺れを抑制出来るようにしたという。
・高剛性ステアリングの採用で操縦安定性を高めた上で、ボディデザインの工夫を介してミニバンが苦手とする横風を受け流す車体構造によりふらつきを抑える事にも腐心した。
・室内空間では、見晴らしがよく開放的な視界の確保に心を砕いた。また後席専用モニターの最適配置などにより、後席乗員の視線の角度などにも配慮。こうした事によりクルマ酔いの低減を図った。
・同社がミニバンNo.1と謳う( 全高1.8m以上の1.2~2.0リットル7/8人乗りミニバンが対象 )の運転席からの視界の広さにより、運転のし易さの向上を目指した。
<デザイン>
・エクステリアは、より上質でモダンな要素を取り入れたデザインとした。また上級モデルの「e-POWER LUXION」と「ハイウェイスター」には、ダイナミックで力強い走りを想起させる印象的なデザインも取り入れた。また、全てのランプをLED化し先進性の追及を図った。
・インテリアは、上質で広々とした空間を意識しつつ、対運転者については視界を遮る凹凸を減らす事で開けた視界を確保。全てのシートには、高級感の醸成に加えて、食べかす等が隙間に入り込みにくく、飲み物等をこぼしてもふき取りやすい素材を採用した。
・シフトレバーには、スイッチタイプの電制シフトを採用( 日産車初 )、スッキリとした見た目と分かり易い操作性を実現。
・ボディカラーは、2トーン4色、モノトーン10色の全14色を用意した。
<室内空間>
・運転席の足の通過スペースを先代モデルから120㎜拡大。運転席と助手席の間の移動をよりし易くした。
・「シートスライド機構」を3列目にも標準装備し、8人フル乗車でもゆったりとした座り心地を実現。加えて「マルチセンターシート」を進化させ、e-POWER車でも8人乗りを実現。使用するシチュエーションに合わせて、7-8人乗りを自由自在にアレンジ出来るようにした( e-POWER LUXIONは7人乗り )。
・バックドア全体を開けずに荷物の出し入れが可能な「デュアルバックドア」の使い勝手を向上。開口時のサイズを見直して、より狭い駐車スペースでも使用出来るようにした。
・「ハンズフリーオートスライドドア」のセンサー感度を向上させた。
・全席にスマートフォンや財布などを置ける小物置き場を設置した他、500mlの紙パックが入るカップホルダーやUSBコネクタの設定、車内Wi−Fiや乗る前エアコンなど車内で快適に過ごすための装備を多数搭載(通信機能に関しては、いずれも日産コネクトサービスの契約が必要)。
・エアコンに、運転席、助手席、後席で別々に温度設定が出来る独立温度調節機能がついたタッチパネル式オートエアコンを採用。
・e-POWER車に、100V AC電源( 1500W )をオプション設定した。なお以上の全機能は、グレード別設定やメーカーオプション設定の場合があるので、搭載出来ないケースもある。
[全国希望小売価格](消費税込み)
■e-POWERモデル
<駆動、エンジン、グレード、乗車、ミッション、価格(円)>
– 2WD、HR14DDe-EM57、e-POWER X、8、─、3,198,800
– 2WD、HR14DDe-EM57、e-POWER XV、8、─、3,499,100
– 2WD、HR14DDe-EM57、e-POWER ハイウェイスター V、8、─、3,686,100
– 2WD、HR14DDe-EM57、e-POWER LUXION、7、─、4,798,200
■ガソリンモデル
<駆動、エンジン、グレード、乗車、ミッション、価格(円)>
– 2WD、MR20DD、X、8、エクストロニックCVT、2,768,700
– 2WD、MR20DD、XV、8、エクストロニックCVT、3,088,800
– 2WD、MR20DD、ハイウェイスター V、8、エクストロニックCVT、3,269,200
※ガソリン車4WDの価格・発売については追って発表。
■(日産)新型セレナ: https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/serena.html