日産自動車(以下「日産」)は2月8日、2021年度第3四半期決算及び通期見通しの修正を発表した。
■2021年度第3四半期累計財務実績
2021年度第3四半期累計の連結売上高は6兆1,540億円、連結営業利益1,913億円、売上高営業利益率3.1%となり、当期純利益は、2,013億円となった。
日産によると、引き続き半導体供給不足の影響を受けたものの、米国の良好な市場環境に加え、販売の質を継続的に向上させたことで、市場に投入した主要な新車の台当たり売上高が大きく向上し、さらに財務規律と固定費の管理を徹底したことにより、収益が前年比で大きく改善した。
中国合弁会社を比例連結した会計基準では、2021年度第3四半期累計の連結営業利益は2,845億円、売上高営業利益率は4.0%となり、当期純利益は2,013億円となった。
■2021年度第3四半期3か月財務実績
2021年度第3四半期3か月は、連結売上高2兆2,070億円、連結営業利益522億円、売上高営業利益率2.4%、当期純利益注1327億円となった。
2021年度上期から継続して業績改善が進み、連結営業利益、当期純利益ともに前年比で収益が大きく向上した。
中国合弁会社に持分法を適用した2021年度第3四半期の財務実績は次の通り。
■2021年度の業績見通し
2021年度の販売台数は、前回見通しから変更なく380万台と見込んでいるが、依然として厳しい状況にある半導体の供給不足や、オミクロン株による新型コロナウイルスの感染再拡大などが、工場の操業に影響を与えている。こうした厳しい環境下にはあるものの、当社は販売の質の向上やコスト管理の徹底によるパフォーマンス改善、円安の進行及び原材料価格上昇影響の見直しにより、今年度の通期業績見通しを次の通り修正した。
連結売上高は8兆7,100億円、連結営業利益は前回見通しから300億円改善した2,100億円、当期純利益注1は前回比で250億円改善し、2,050億円となる見込み。
中国の合弁会社に持分法を適用した2021年度通期予想は下記の通り修正し、東京証券取引所に届け出ている。
CEOの内田誠は、「2021年度は、計画的な新車投入や販売の質の向上、財務規律の徹底に継続して取り組むことにより、第3四半期まで着実に業績を改善してきました。第4四半期は、不透明な市場環境が継続すると想定していますが、これまでの取り組みをより一層強化していくことで、今回修正した業績見通しを確実に達成し、まずは事業構造改革『Nissan NEXT』のマイルストーンの一つである2021年度比例連結ベースでの営業利益率2%を達成したいと考えています。そして、その勢いをさらに加速させ、『Nissan NEXT』をより一層グローバルに推進することで、同計画の目標である2023年度比例連結ベースでの営業利益率5%の達成を目指していきます」と述べた。