山口県宇部市と日産自動車および、山口日産自動車、日産プリンス山口販売の4者は、12月17日、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結した。
なお、日産が締結した自治体・企業との災害連携協定は、全国で16件目。中国地方では初となる。
災害連携協定は、宇部市が、「電気自動車(EV)の普及を通じて、地域課題解決や環境負荷の低減に取り組むと共に、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、日産の販売会社である山口日産自動車および日産プリンス山口販売より貸与される電気自動車(EV)日産リーフを電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める」というもの。
昨年「SDGs未来都市」に選定された宇部市では、2030年のSDGsの達成に向け、持続可能なまちづくりの実現に取り組んでおり、未来都市として目指す5つのイメージとして、「産業力強化・イノベーション創出のまち」、「生きる力を育み、子どもの未来が輝くまち」、「健康長寿のまち」、「共に創る魅力・にぎわいあふれるまち」、「安心・安全で、快適に暮らせるまち」を掲げている。
またその一環として、電気自動車(EV)の特性を活かした地域防災力の向上や、電気自動車(EV)の普及促進による大気汚染物質や温室効果ガスの削減を目指している。
一方、日産は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、昨年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表。全国の自治体や企業と協力して、電気自動車(EV)普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。
[災害連携協定の概要]
・日産自動車および山口日産自動車、日産プリンス山口販売は、宇部市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、日産販売会社の店舗に配備している電気自動車(EV)「日産リーフ」を無償で貸与する。
・宇部市、日産自動車、山口日産自動車、日産プリンス山口販売の協力により電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
・宇部市および日産自動車は、平常時も電気自動車(EV)の普及促進を行うほか、市のイベントで使用する電力を電気自動車(EV)から供給することで、『電気自動車は「動く蓄電池」』としての活用を市民へ積極的にアピールし、環境意識向上を目指す。
宇部市では、SDGsの取組みの一環として、環境保全対策を推進し、EV公用車の導入ならびに外部給電器の設置、また、市民が所有するEVを災害時に活用する「災害時登録車制度」の導入などを検討。また今後、市役所駐車場でのEV専用スペース設置や急速充電器の設置を検討するなど、更なるEV普及・促進に向けた取り組みの検討も進める。
宇部市と日産は、この協定締結を機に、今後も環境活動の推進や、電気自動車(EV)を活用した持続可能なまちづくりを推進し、防災、エネルギーマネジメント、温暖化対策、観光、過疎化など様々な地域課題の解決に向け、更に連携を強化していくとしている。