日本製鉄は8月30日、ドローン利活用に関する規制緩和を受け、製鉄所でのドローン利活用を拡大すると発表した。
製鉄所の敷地は広大であり、超高層建築物も多く存在することからドローン適用箇所が多く存在する。しかし、従来は飛行申請の事務的な課題に加え、飛行高度や補助者配置の制約などで、24時間365日稼働している製鉄所での機動的な利活用には制約があった。
今回、鉄鋼各社からの要望を集約し、日本鉄鋼連盟にて関係諸機関と協議・調整した結果、居住区と明確に区切られ、安全・防犯等の管理が徹底されている地域に対して、一定条件下での規制緩和が実現したことから、製鉄所においても年一回の包括申請によって24時間365日を通したドローンの利活用が可能となった。日本製鉄では関西製鉄所和歌山地区で包括申請を実施しており、他製鉄所においても順次申請を進め、ドローン利活用を拡大していく予定だ。
今回の規制緩和により、主に以下の作業におけるドローンの利活用を拡大していく。
・従来規制のあった飛行高度(150m以上)での点検
・自動運転による広範囲の点検
・製鉄所岸壁の海べり飛行による護岸や設備の点検
日本製鉄は、これらによって点検のための足場設置が不要になる他、広大な距離にわたる道路、鉄道、ベルトコンベヤなどの点検自動化、船舶を使用しない護岸点検を可能にするなど、大幅な作業負荷の軽減・コストダウン、安全の確保、3密回避などの様々なメリットを得ることが出来るとしている。