Nexperiaは9月13日、表面実装デバイス・パッケージの1つであるCFP15BクリップボンドFlatPowerパッケージが、主要Tier 1サプライヤによる車載アプリケーション向け基板レベル信頼性(BLR)試験に初めて合格したと発表した。
最初はエンジン制御ユニットに使用される予定だとしている。
BLRは半導体パッケージの堅牢性/信頼性の評価手法。厳格な試験手順は、安全性と信頼性がクリティカルな車載アプリケーションで特別な重要性を持っている。自動車業界で電気自動車やコネクテッド・カーへの移行が進む中で、クルマに搭載される電子システムがますます複雑になっていることから、認定の取得は極めて重要となる。
Nexperiaのパワー・バイポーラ・ディスクリート担当プロダクト・マネージャーのGuido Söhrnは、次のように述べている。「BLRの検証は重要なマイルストーンです。CFP15Bは放熱特性を強化した超薄型表面実装デバイスの最新世代パッケージです。汎用性と信頼性が高く、エンジン制御ユニット、トランスミッション制御ユニットのほか、ブレーキなどの安全アプリケーションをはじめとする車載部品に最適です」。
BLRの検証により、CFP15BはAEC-Q101への準拠で求められる値に比べ2倍強の信頼性を持つことが確認されている。また、温度サイクル試験と断続動作試験を組み合わせたパワー温度サイクル試験により、2,600サイクル要件を達成することが確認された。Guido Söhrnはさらに、「車載分野では技術的課題の大きいアプリケーションに表面実装デバイスが使用されるケースがありますが、CFP15Bは最も厳しい条件下でもその高い性能を証明しました」と話している。
同社によると、CFP15Bは最高グレードの材料を使用して製造されているという。リード、ダイ、クリップ周辺部分のデラミネーションがなく、水分の侵入を防止し信頼性を向上。銅クリップを採用し、CFP15Bの熱抵抗を低減している。これにより、PCBへの放熱を最適化し、コンパクトなPCB設計を可能にする。また、CFP15Bは熱挙動を犠牲にせずに、DPAKパッケージやSMxパッケージと比較し最大60%サイズを低減。小型化によりスペースの大幅な低減が可能なことから、設計のフレキシビリティを向上させる。
CFP15BパッケージはNexperiaのショットキー整流器やリカバリ整流器などのさまざまなパワー・ダイオード技術に使用されており、さらに、シリコン・ゲルマニウム・パワー・ダイオードやバイポーラ・トランジスタにも使用することができる。シングル/デュアル構成や4~20Aをカバーし、非常に多様な製品に対応しており、基板設計を簡素化する。