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2020年10月21日【新型車】

ボルボ、V90シリーズを仕様変更し全車電動化へ

NEXT MOBILITY編集部

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ボルボ・カー・ジャパンは、プレミアム・エステートV90とプレミアム・クロスオーバーV90 Cross Countryの内外装デザインと装備レベルを一部変更するとともに、パワートレーンに48Vハイブリッドを導入することで全車電動化を図り、10月21日より発売開始した。

 

 

V90シリーズは安全性を飛躍的に向上させ、電動化や高度な運転支援技術の搭載まで見据えた「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」プラットフォームにより開発され、T字型のトールハンマーヘッドライトを象徴とするボルボの新デザインがXC90に次いで採用されたモデル。今回、国内への導入後初めての内外装の一部変更と、搭載する全てのパワートレーンの電動化が図られた。

 

 

パワートレーンは従来の「D4」「T5」「T6」パワートレーンに代えて、新たに48Vハイブリッドモデル「B5」「B6」と、V90にプラグインハイブリッドモデル「Recharge Plug-in hybrid T8」が設定された。

 

 

■48Vハイブリッドパワートレーン「B5」/「B6」

 

 

B5パワートレーンは、ISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール)による回生ブレーキで発電した電力を48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電し、エンジンの始動や動力補助を行うハイブリッドシステムを搭載している。ISGMはバッテリーモジュールへの充電、エンジンの始動、車両出力補助ならびに制動に使用。スターターモーターに代わりISGMによりエンジンの始動を行い、アイドリングストップ後の再始動時におけるノイズやバイブレーションの大幅な低減と、より上質感のある走行性能を実現させている。

 

 

また、今回搭載される新世代パワートレーンDrive-E (ドライブイー)の 第3世代となる4気筒2L ガソリンエンジンは、約90%ものパーツが新設計となっている。高効率と高い環境性能、コンパクトなデザインを実現し、新世代ボディ構造とともに、高いレベルの衝突安全性能を達成した。シリンダーの表面処理の改良など、エンジン内部の摩擦 (フリクション) 低減を図るとともに、気筒休止システムを導入したことで、一定条件を満たした状態での2気筒走行が可能となり、燃費向上が図られた。

 

 

B6パワートレーンは、B5パワートレーンをベースに、ターボチャージャーに加え、低回転域でのレスポンスに優れる電動スーパーチャージャーを装着することで、220kw(300ps)、420Nm(42.8kgm)を発生する高性能パワートレーンだ。

 

 

■プラグインハイブリッドモデル「Recharge Plug-in hybrid T8」

 

 

V90に設定されるRecharge Plug-in hybrid T8は、ボルボの中大型車向けプラットフォームSPAをベースとしたプラグインハイブリッドモデル。新しく命名されたRecharge (リチャージ)は、「外部充電可能」の意。今後導入される電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車の呼称として使用され、電動化を推進するボルボ・カーズを象徴する位置づけとなる。

 

 

233kw(318ps) / 400Nm(40.8kgm)を発生するDrive-E2.0リッター4気筒スーパーチャージャー付き直噴ターボエンジンと65kw(87ps)240Nmを発揮する電気モーターをリアに配置。通常の「Hybridモード」に加え、電動モーターだけで駆動する「Pureモード」では、EV走行のみによるゼロエミッション走行が可能で、プラグインレンジは42.1kmとなっている。またエンジンとモーターの2つのパワーソースを最大限に活用する「Powerモード」も選択することができる。

 

 

■デビュー後初となる内外装デザインと部装備の変更

 

 

今回、2017年のデビュー以来初めてとなる内外装デザインと、装備の一部変更を実施した。エクステリアでは、フロント・グリル、フロント・バンパー、リアバンパー、アルミホイールに新デザインを採用し、リアランプのデザインが変更され、ウィンカーがシーケンシャルタイプになった。

 

 

インテリアでは、「CleanZone – アドバンスト・エア・クオリティ・システム(PM2.5センサー、車内自動換気機能付)」が標準装備された。車内から微粒子状物質を除去することでPM2.5粒子を最大95%車外に排出することが可能となり、これにより車内のエアクオリティが最適化され、大気汚染や微粒子による健康への悪影響を抑制する。併せて「ワイヤレス・スマートフォン・チャージ」も標準装備(Recharge Plug-in hybrid T8 AWD Inscription除く)。また、オプションのB&Wプレミアムサウンド・オーディオシステムがアップグレードされ、音場再現性が更に向上し、新たに“Jazz Club”モードが追加されている。

 

 

■V90に R-Designを設定

 

 

R-Designは「洗練さ(Refinement)」の「R」を軸とした専用装備と、スポーツサスペンションによる洗練された走りによる、通常モデルと差別化したグレード。今回V90のB6パワートレーン搭載モデルに R-Designを設定した。メッキ類のグロッシーブラック仕上げや20インチ専用アルミホイールをはじめ、専用スポーツシートや、本革/シルクメタル・スポーツステアリングホイール等、R-Design専用の内外装に専用スポーツサスペンションを装備した。

 

 

■最高速度制限およびケア・キーの導入

 

 

今回新たに、180km/hの最高速度制限とケア・キー(搭載されるキー2本のうち1本がケア・キー)が導入された。自動車の速度超過が死亡重症事故の大きな原因の一つであることから、すべてのボルボ車の最高速度を時速180キロに制限。また、ケア・キーを使用することにより、運転経験の浅い10代の若者や高齢者が運転する際、また他人に貸し出す際などに、予めクルマの最高速度を任意のより低い速度に制限しておくことができる。

 

 

■先進の安全および運転支援機能を全車標準装備

 

 

先進の安全・運転支援機能「対向車対応機能」や「歩行者・サイクリスト検知機能」、「インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)」などを備える「City Safety(衝突回避・被害軽減ブレーキ・システム)」をはじめ、「全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」、「パイロット・アシスト(車線維持支援機能)」、「ステアリングアシスト付BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)」、「衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付CTA(クロス・トラフィック・アラート)」、「ランオフロード・ミティゲーション(道路逸脱回避機能)」、「オンカミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)」などを全車に標準装備する。

 

 

■V90 希望小売価格

 

 

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。