世界的な自動車部品メーカーであるヴァレオは、「人とくるまのテクノロジー展2019横浜(5月22日~5月24日・パシフィコ横浜)」に出展し、生体を検知できる独自のレーザーセンサーを活用した車内の「幼児置き去り検知システム」を国内で初公開した。
駐車場などで車内に幼児を放置したことによる死亡事故は、近年大きな社会問題となっている。春先から夏にかけてこのような事故は起こりやすいが、特に真夏などはわずか10分程度の短時間でも車内がかなりの高温となり、放置された幼児が熱中症で死に至るといった痛ましいケースが後を絶たない。
また、このような事故は、日本だけでなく世界中で問題となっており、欧州では、消費者団体が実施する自動車の安全性評価テスト「ユーロNCAP(ヨーロッパ新車アセスメントプログラム)」で、2022年から幼児置き去り検知機能がスコアリング対象となる見込み。今後、欧州メーカーが新車へこういった機能を追加することも予想される。
ヴァレオが今回展示した新システムは、こういった課題解決に対応したものだ。
ブースでは、車内をイメージした模型にシートを設置し、その上の車内ルーフ部に当たる箇所にレーザーセンサーを装備。
検知した人間は、モニターで色を変えて表示するといったデモも行った。
採用するセンサーは、レーザーの反射により生体を検知する機能を持ち、人間の場合は体内の水分がレーザーを反射することで存在を検知する。毛布や暗がりの中にいるなど視覚的に見えない乳幼児でも検知が可能で、また犬や猫など車内に置き去りにされたペットについても対応。
乳児やペットの車内放置が分かると、ドライバーのスモートフォンなどに警告を出すといった活用ができる。
同社では、このシステムを、前述のユーロNCAPなどに合わせ、2022年頃までに実用化する方針だ。