米・ベロダインライダー(Velodyne LiDAR)社は、「オートモティブワールド2019」(1月16日〜1月18日・東京ビッグサイト)内の「自動運転EXPO」にて、同社新製品となる超広角タイプのLiDAR「VelaDome」を日本で初披露した。
自動運転車向けLiDAR等を製造する同社は、CEOのDavid Hall氏がGoogleによる自動運転車の実証実験に参画した実績を持つ等で、注目を集めている米スタートアップ企業。今回のブース出展は、同社製品の日本代理店であるアルゴが行っている。
新製品「VelaDome」は、米・ラスベガスで開催されたCES2019(現地1月8日〜1月11日)で先に発表されているが、翌週開催の当展示会で日本でも初披露を実施したという意味では、まさにタイムリーな製品であるといえるだろう。
特徴は、水平と垂直共に180°というFOV(視野角)と、0.1〜30mという測定距離だ。
従来のLiDARは、例えば同社のフラッグシップモデル「Alpha Puck」(下)の場合で、測定距離が約250m、FOVは水平360°、垂直40°。
低価格モデルの「Puck」でも測定距離は約100m、FOVが水平360°、垂直30°又は20°。
従来型が、100m〜200m程度の比較的遠距離を測定するのに対し、新型はより近距離を測定し、FOVも垂直方向がかなり広い。
このスペックの違いを見ても分かる通り、新型は、車両の死角を検知するためのLiDARだ。
走行中の車体すぐ横の路肩にある障害物や歩行者等を検知して、より安全な自動運転の実現を可能とすることを目的としている。
そのため、車両への装着も、従来型がルーフ等にセットするのに対し、新型はフロントフェンダーの前後等への装着を想定している。
市場への導入時期は、前出のアルゴ担当者によると「2019年末頃」の予定だという。自動運転車には今や欠かせないものとなったLiDARの新コンセプト製品だけに、今後の動向に注目したい。