
トヨタモーターヨーロッパ( TME )は3月12日(ベルギー・ブリュッセル発)、スタイリッシュでありながらも手頃な価格で提供できるマイクロBEVコンセプトの「FT-Me」を発表した。トヨタは、先の2021年の東京オリンピック、2024年のパリオリンピック&パラリンピックでの協賛実績を活かし、今回、近代都市に適応するマイクロBEVのFT-Meを開発した。
そんなFT-Me は、車両占有面積の半減(駐車時を含む)を目指した全長2.5メートル未満の2人乗りBEV。その車体サイズのコンパクトさから縦列駐車時には3分の1のスペースがあれば駐車が可能だ。
またFT-Meのスタイリングについては、パイロットやライダーが被るジェットヘルメットからヒントを得て安全かつ堅牢に仕上げた。そんな同車は初級レベルの運転免許を持つ人々、また欧州域内の市場に於では14 歳の人々も対象に、誰もが利用できるモビリティとなる。それゆえ利用用途上の汎用性、運転時にドライバーが享受する視認性、扱い易い操縦性の3つを大きく高めることに腐心した。
例えば操縦性では、ステアリング ホイールに組み込んだ手動コマンドだけで運転できるようにしているし、乗降性について手配りを行ったことから、オリジナルから手を加えてカスタイマズすることなく車椅子ユーザーも利用できるようになっている。また運転の開始にあたっては、スマートフォンとシームレスに繫がるキーレスエントリーシステムを組み込んだ。
加えてFT-Meは環境面にも細やかに配慮。車体の構成部品にもリサイクル素材を活用。これまでの都市型コミュニティーとの比較でも二酸化炭素排出量を90%まで削減させている。車体の軽量化や動力伝達の効率性についても最新鋭技術を駆使。走行1キロメートルあたりのエネルギー消費量は既存の同型車両の 3 分の1に抑えた。
更にFT-Meは最先端のソーラーパネルルーフテクノロジーを備えているため、このルーフからの日照でメインバッテリーを充電できる。充電性能は天候などの外的な不確定要素があるが、一例を挙げると1日あたり市街地走行換算で20~30kmの走行距離を稼ぐことも可能という。