ティアフォー(Tier Ⅳ)、アイサンテクノロジー、岡谷鉄鋼の3社は、「オートモティブワールド2019」(1月16日〜1月18日・東京ビッグサイト)内の「自動運転EXPO」において、配送・配達サービス用の完全自動運転EV「Postee」のコンセプトカーを展示した。
これは、主に中山間地域など人口減少が著しい地域において、現在ドライバー不足が問題となっている郵便や荷物の配送・配達サービスへの活用を想定して製作された車両だ。
FRP製の丸い車体は、全長3285mm、全幅1660mm、全高2000mm。
ベースはヤマハ製の電動ゴルフカートで、ナンバーを取得すれば時速9km程度の低速走行で公道を走行し運搬を行う。
また、車内は全室荷室の構造となっており、前後左右全面に荷物扉、側面には郵便物の投函口も配備する。
車両の前後左右やルーフ部にはLiDARを搭載。
また、カメラも同じく車体の前後左右に装備することで、路面状況などをリアルタイムで把握する。
自動運転の制御は、ティアフォーを中心に開発中のオープンソース自動運転ソフトウェア「オートウェア」を採用。
高精度三次元地図と各種センサ類との組み合わせで、周囲の物体検出、自車位置の推定、走行経路の策定、運転判断といった自動運転に必要な主要機能を装備している。
同車両は、今後、日本郵便と共同の実証実験を予定しており、実用化に向けた開発を進める予定だ。
ブースでは、ほかにも、より小型の自動運転EV「Logiee」のコンセプトカーも展示された。
こちらは、上部に載せる機能部品を取り替えることで、様々な用途に対応できる多機能車両。ベースは電動車椅子で、車体は樹脂材を3Dプリンタで製作。全長1500mm、全幅800mm、全高約500mm。重量は約140kgで、最高速度は前進6km/h、更新2km/hだ。
自動運転の制御ソフトウェアはこちらもオートウェアを採用。車体前後にLiDARとカメラが一体となったユニットを装備し、障害物や歩行者などを検知して安全な走行を実現する。
活用例としては、モールなどでショッピングカートとして利用したり、倉庫や工場では搬送台車として、上に自動販売機などを載せることで無人の移動ショップとするなど、近距離輸送、配達、販売、買い物等の多岐にわたる用途での活用が期待できる。
2台の実用時期は未定だが、輸送手段の新たなカタチとなるか注目したい。