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2019年5月8日【テクノロジー】

帝人、CFRTP製品を米GM新型車に供給

NEXT MOBILITY編集部

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帝人は、5月7日、同社が展開する熱可塑性炭素繊維複合材料(以下、CFRTP)製品である「Sereebo(セリーボ)」が、米・ゼネラルモーターズ(以下、GM)の新型ピックアップトラック2車種に採用されたことを発表。量産自動車の構造部材にCFRTPが使用されるのは世界初となる。

 

 

CFRTPは軽量・高強度で知られる、いわゆるカーボン素材の一種で、自動車や航空機、高速鉄道などの様々な部品への活用が期待される次世代素材のひとつだ。

 

自動車や航空機などの部品には、従来から熱硬化型のCFRPが使われてきたが、量産しにくく、コストも高くなるなどの課題があり、特に自動車分野ではレース車両や少量生産の高級車などを除き、あまり一般的ではなかった。

 

 

対するCFRTPは、CFRPと比べ、常温保存が可能で、量産性に優れ、後加工が容易、リサイクルが可能といった特徴を持ち、製造コストも比較的安くできるというメリットがある。

 

特に、近年の自動車では、燃費向上はもちろん、普及が期待されるEVの航続距離などの課題解決のために、車両や部品の軽量化が急務となっており、その対策として、前述の通り、CFRTPが大きくクローズアップされているのだ。

 

 

帝人が2013年に開発したSereeboも、熱可塑性樹脂を使用するCFRTP製品。世界で初めて製造タクトタイムを約1分にまで短縮したことにより、自動車部品などの量産対応を可能にした革新的なCFRTPだ。

 

 

今回Sereeboが採用されたのは、GMが2019年夏から市場展開を開始するピックアップトラック「GMC シエラ・デナリ1500」および「GMCシエラAT4 1500」の2車種。いずれも「カーボン・プロ」と呼ばれるピックアップボックス(荷台)の素材に使用される。

 

2019 GMC Sierra Denali CarbonPro Edition

 

 

カーボン・プロは、帝人がGMと共同開発したピックアップボックスで、ポリアミド系樹脂を母材とし、炭素繊維をランダムに分散させたSereeboシリーズの製品を荷台内側のパネル部分に使用。

 

Sereeboを用いることにより、成形時間の大幅な短縮を実現したほか、スチールを使用した従来のピックアップボックスに比べ約40%の軽量化を実現。また、約10倍の耐衝撃性を有し、耐腐食性にも優れている。

 

加えて、従来の素材では量産できなかった複雑なデザインの成形にも対応でき、リサイクルも容易であるなど多くの特徴を有している。

 

 

なお、Sereeboを使用する当該カーボン・プロの荷台内側部分は、帝人グループにおいて軽量複合材料製品の生産・販売・技術開発を展開するコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP社)のハンティントン工場(米国インディアナ州)で製造される。

 

 

 

 

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。