日本の三井物産は12月27日(インド発)、インドのEKAモビリティ並びに、オランダのVDLグループとEVバス事業で共同投資を果たし、技術協力を含む戦略的長期パートナーシップを結んだ。
この3社による投資規模は、段階的に1億米ドル(約8億5千万ルピー)を超える共同投資となる予定であり、この協力体制によりインドは、世界的な電気自動車の製造・調達拠点としての立ち位置を確固たるものにしていく構えだ。
そんな3社のうちEKAモビリティは、インド政府のAuto PLI政策のChampion OEMスキーム及びEVコンポーネント製造スキームに基づいて承認された商用車メーカーのひとつ。EKAは、インドで新エネルギー車のエンドツーエンドの設計・製造・技術をゼロから提供する唯一のインド企業となっている。
上記同社は、マハラシュトラ州プネに最先端の研究・開発・エンジニアリング・イノベーションセンターを設けており、国内で500台以上の電気バスと5000台以上の電気小型商用車の注文を獲得してきた実績を持つ。
そうしたEKAモビリティは今回の企業連携について、「三井物産株式会社(日本)およびVDL Groep(オランダ)との提携を発表できることを嬉しく思います。
同戦略的協力はインドの自動車産業の進化に於ける重要なマイルストーンを示し、インドを持続可能な交通産業の世界的ハブへと押し上げることになります。また同提携を介して、世界に視野を向けた相手先商標製品製造業者 (OEM) が設立されることになります」と語っている。
またこの協業について三井物産でも、「既にEVのエコシステム企業としてインドで知られるEKAモビリティは今後、世界の産業革新に貢献してきた日本の三井物産から戦略的な投資を得るのみならず、オランダの大手テクノロジー企業からの技術サポートも享受することになるでしょう。
これはインドのモビリティ産業で最大かつ重要なパートナーシップの1つであり、アジアから欧州を跨がる3社の強みと専門知識を結集させることで、革新的な電動モビリティソリューションを世界的へ向けて加速させることになります」と話している。
そんな3社の戦略体制は以下の通り
戦略的投資:三井物産はEKAモビリティに多額の財務投資を行い、同社の製造事業を拡大し、製品ポートフォリオを拡大させていく。また三井物産はEKAの一部の新興国市場への輸出やシステム・プロセスの確立を支援していく。
技術的リーダーシップ:同パートナーシップの一環として、VDLグループの子会社であり電気バスおよび電気バスのヨーロッパのフロントランナーであるVDL Bus & Coachは、インドでインド市場向けに電気バスを製造するための技術移転によりEKA Mobilityをサポートする。
Make in Indiaの強化:同提携は、地元の製造業と雇用創出の促進を目的としたインド政府の「Make in India」イニシアチブと連携していく。また持続可能性という面に於いても、同協力体制は持続可能性と環境に配慮したモビリティ ソリューションへの取り組みを強調し、世界的な二酸化炭素排出量の削減にも大きく貢献していく。
こうした取り組みについてEKAモビリティ創設者兼会長のスディル・メータ博士は、「三井物産およびVDLグループとの同提携は、インドを電気自動車製造の世界的なハブにするための重要な一歩を意味しています。
私たちは力を合わせることを誇りに思うと共に、〝持続可能で収益性の高い効率的な輸送を実践する〟という当社のビジョンと、価値を共有する著名パートナーとの協力を大変嬉しく思います」と述べた。
対してインド三井物産モビリティ事業本部長の梅澤伸義氏は、「EKA、VDL、三井物産の協力により、EKAの優れたエンジニアリングと現地ネットワーク、VDLのカッティングを活用してMake in India に貢献することが遂に実現します。
今後は三井物産のグローバルネットワークを活用し、EKAの競争力のある製品の海外市場への輸出を促進し、これまでにも増して環境に優しい社会づくりに貢献していきたいと考えています」と話している。
最後にVDL Bus & Coach CEOのロルフ=ヤン・ズウィープ氏(Rolf-Jan Zweep)は、「EKAモビリティおよび三井物産と提携できることを嬉しく思います。当社の高品質な開発および製造能力の基盤は北西ヨーロッパにありますが、インドにも多くの機会があると考えています。
これは明らかに有望な成長市場です。この協力により、調達と開発の分野で特に多くの相乗効果が期待できます」とコメントした。