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2023年11月24日【新型車】

三菱自動車、新軽商用EV「ミニキャブEV」を12月に発売

松下次男

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ミニキャブ・ミーブから大幅改良、航続距離を約35%延ばす

 

三菱自動車は11月24日、ワンボックスタイプの新型軽商用電気自動車(EV)の「ミニキャブEV」を12月21日から発売すると発表した。ミニキャブ・ミーブをベースに大幅改良し、一充電当たりの航続距離を先代モデル比約35%増の180キロメートル(WLTCモード)に延ばした。(佃モビリティ総研・松下次男)

 

ミニキャブ・ミーブは日本初の軽商用EVとして2011年12月に発売し、累計約1万3千台の販売実績を持つ。日本郵便や白洋舎、日本生活協同組合連合会などが導入済みだ。

 

 

軽商用EVをめぐってはカーボンニュートラルに伴う政府のグリーン成長戦略や競合他社から相次いで商品投入が計画されていることから、「来年度以降、一気に市場上昇を予測している」(商品戦略本部、藤井康輔氏)と分析する。 

 

そこで今回、12年ぶりに商品を大幅改良し、航続距離の伸長と先進安全機能を搭載することで商品力強化を図ることにした。また、車名も軽乗用の「eKクロスEV」と同様にEVの名称を用いる。

 

名称変更について藤井氏は従来EVの総称に「ミーブ」を採用してきたが「わかりづらい」という声があり、EVそのものを採用することにしたと話す。

 

さらにグローバルでEVシフトが進展していることから、新モデルはASEAN(東南アジア諸国連合)でも展開する。計画としては、来年度からインドネシアで現地生産するほか、EVの普及が進むタイなどに投入する予定だ。

 

 

先進の予防安全技術「三菱e―Assist」を採用し安全性を高める

 

大幅改良した新型ミニキャブEVは一体型駆動系のeアクスルを採用するなど電動系コンポーネントを新世代化し、電費を大幅に改良した。

 

先進安全機能では、衝突被害軽減ブレーキ委や誤発信抑制装置、車線逸脱警報、オートハイビームなどの予防安全技術「三菱e―Assist」を採用。「一般的な新型車に使われている最新機能を搭載し、安全性を高めた」という。

 

外観デザインはフロントバンパーなどの一部の変更にとどめた。軽商用ということで、ユーザーは外観を「あまり気にしていない」とし、電費や安全装置など「必要なところから改良した」と述べた。

 

 

充電機能については普通充電を標準装備し、約7・5時間で満充電となる。業務用が主体のため、業務終了後に充電すれば、翌日の業務開始時には満充電状態で使えるとした。急速充電(オプション)の場合は、約42分で80%の充電が可能だ。

 

また、ガソリン車との比較では、7年間保有(月当たり1500キロメートル走行)で燃料代が約67%コストダウンできるとシミュレーションしている。

 

販売面では、軽商用市場は年間約22万台で推移しているとし、2024年で約2割、2030年は約4割を軽商用EVが占めると予測。ミニキャブ・ミーブもこの1~2年は2~3000台レベルで販売が伸びており、新型モデルについても「このレベルを確保したい」(国内商品戦略部、高木聡氏)と述べた。

 

車両価格(消費税込み)はほぼ「前モデルと同等」(高木氏)とし、2シーターが243万1千円、4シーターが248万6千円。現状、不透明なところがあるが、補助金を加えれば200万円前後で購入できる価格帯だ。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。