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2020年6月18日【新型車】

レクサス、LC500コンバーチブルを新設定

NEXT MOBILITY編集部

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レクサス・ロゴ

トヨタ自動車傘下のレクサス(LEXUS)ブランドは、「LC500 Convertible」を新たに追加するとともに、LC500h/LC500を一部改良し、全国のレクサス店を通じてLC500h/LC500を6月18日に、LC500 Convertibleを7月15日に発売する。

 

 

 

 

さらに特別仕様車の「LC500 Convertible“Structural Blue”」を設定し、60台限定で発売。なお60台の内40台については、既にオーナー向け先行商談(*2)を開始しており、一般向けの抽選発売分として、残る20台の商談公募を6月18日からWeb上で開始する。

 

「LC500 Convertible」のメーカー希望小売価格(税込)は1,500万円、「LC500 Convertible“Structural Blue”」は1,650万円。

 

 

 

 

レクサスのその後全てのモデルの乗り味を方向づける一台となったLCは、フラッグシップであると共に、ブランド変革の象徴となっている。レクサスは、2017年の発売以降も基本性能の改良を重ねてきたこのLCに、今回、コンバーチブルという新たな選択肢を提示する。

 

LC500 Convertibleは、Chief Branding Officer/Master Driverである豊田章男氏の「エレガントさに加えてLC独自の本能を刺激するような走りを育てていく」という思いのもと、LCのコンバーチブルモデルならではの存在感や人の感性に訴える走行性能/エンジンサウンドを実現。さらにクーペの改良で培われた知見を活かし、軽量化や高い快適性を追求したモデルだと云う。

 

 

 

 

 

レクサス・インターナショナルのチーフエンジニア、武藤康史氏は、LC500 Convertibleについて、以下のように話している。

 

「我々は『LCらしさを追求し、常に進化を続ける』ということを開発の念頭に置き、LCとともにレクサスの乗り味を育てるべく挑戦を重ねてまいりました。今回、新たな進化の形として新規開発したのがLC500 Convertibleです。

 

LC独自の世界観をコンバーチブルでも明確に表現するため、ソフトトップの採用で軽快感や開放感とともに一目で『LCのコンバーチブル』だとわかるスタイリングを実現しました。さらに乗る人すべてにとって心地よい空間を考え抜くことで、四季折々の心地よい風と官能的なエンジン音の調和を肌で感じながら走りも楽しめます。そんな唯一無二の五感を刺激する体験をお客様にお届けしたいと考えています。

 

またクーペでは、高い基本性能をさらに磨き上げるべくサスペンションやステアリング制御など細部にまで手を加え、さらにV8モデル、ハイブリッドモデルともに駆動特性を改良するなど、走りを『より鋭く、より優雅に』熟成させました。LCで運転する喜びをぜひご体感ください」。

 

 

 

 

エクステリアとインテリア

 

・レクサスのフラッグシップコンバーチブルとしての存在感を、LC独自の世界観とともに表現。また、造形美と空力性能/慣性諸元といった機能性との両立を追求。LCシリーズとしての統一感を保ちながら、専用パッケージングによりソフトトップルーフの軽快感や開放感、リヤのダイナミックな印象など、個性引き立つエクステリアを目指した。

 

 

 

 

・ルーフを開いても閉じていても美しいシルエットのコンバーチブルを目指し、ルーフオープン時は、ソフトトップが完全に格納される自動開閉式のトノカバー付きフォールディング機構を採用。低く構えたフロントフェンダーに加え、ドアエンドのベルトラインのキックアップ形状と、トランクの後端を跳ね上げたリヤシルエットにより、キャビンまわりの適度なタイト感と前後の伸びやかさを併せ持つプロポーションを実現した。さらに、トランク後端を左右方向にも広げ、ラグジュアリースポーツらしい存在感を際立たせたリヤデザインに。またソフトトップの材質や質感を吟味し、骨格と素材の張り具合を徹底的に検証することで、ルーフクローズ時にクーペのような美しいルーフラインとなるよう、こだわった。

 

 

 

 

・ソフトトップの採用により、軽量化に加え、ルーフ収納スペースを最小化し、ルーフオープン時の美しいスタイリングを実現。また吸音材を組み合わせた4層構造とすることで優れた静粛性も実現。

 

・エクステリアカラー11色とソフトトップ2色、内装色3色で44通りの組み合わせを設定。

 

 

 

 

・インテリアでは、シート肩口のキルティングや穴径の異なる3種類のパーフォレーション加工によるグラデーションの表現、ヘッドレストの後部のLマークのエンボスなど、ルーフを開けた際の車外からの見え方など、細部に至るまでの作りこみを行った。

 

・ルーフの開閉時間は約15秒。開閉動作は、書の三折法(*3)にヒントを得て、「動き出し」「途中」「動き終わり」の3ステップに分解。始めと終わりに適度な「タメ」を持たせながら、極端な速度変化がないようリズム良く繋ぐことで、優雅で自然な動きとした。

 

・パームレスト内にあるルーフスイッチは、ルーフ開閉とスイッチを傾ける方向を合わせ、直感的な操作を可能に。開閉作動中には、マルチインフォメーションディスプレイにルーフの動きをグラフィック表示して状況が一目でわかるようにした。なおルーフの開閉は走行時も可能(約50km/h以下)。

 

 

 

 

走行性能等

 

・高いボディ剛性を実現したほか、使い勝手の良いラゲージスペースを両立。コンバーチブルとして最適なパッケージングとした。

 

・ブレースの配置や形状にこだわり、リヤサスペンションタワーブレースや床下ブレースの結合部などには形状自由度が高く、軽量かつ高剛性なアルミダイキャストを採用。また、マグネシウムやアルミニウムなど軽量素材の最適な配置によって、高剛性と軽量化の両立に加え、優れた重量バランスを実現した。さらにリヤに「パフォーマンスダンパー」を採用し、上質な乗り心地と優れた運動性能を実現した。

 

 

 

 

・5.0L V8エンジンとDirect Shift-10ATを組み合わせて、伸び感のあるリニアな加速を追求。ドライバーがどのような環境下で走行しているのかを判定し、走行シーンに応じて駆動力をきめ細かく制御。

 

・自然吸気V8エンジンサウンドを楽しめるよう、吸気音をキャビン内に共鳴させるサウンドジェネレーターや、より迫力のある排気音を演出する外装バルブをクーペと同様に採用。ルーフオープン時のより気持ち良いサウンドを作りこんだ。

 

 

室内空間

 

・オープンエアを感じながら、車内での会話を自然に楽しめる空間を作り上げるため、ベルトラインやリヤの造形など空力性能にこだわった。また、透過性のウインドディフレクター採用により、視界はそのままに車内の不快な風の流れを抑制、優れた静粛性を実現した。

 

 

 

 

・レクサス クライメイト コンシェルジュを採用し、オープンドライブにおいても快適に乗員が過ごせるようエアコン、シートヒーター、ネックヒーター、ステアリングヒーターを自動制御。またエアコンの制御をルーフのオープン/クローズ状態に合わせて変更させるなど、快適性を追求した。

 

・音響シミュレーションを用いて吸音/遮音を適切に行い、ノイズを発生源から抑制。さらにアクティブノイズコントロール(ANC)を採用し、オープン/クローズともに人間が不快に感じる低周波ノイズを低減。

 

 

 

 

・オーディオ/サウンドシステムは、音源の中の楽器、ボーカル、聴衆の歓声、録音時の環境音までを原音に忠実に再現。加えて、オープンとクローズで音響設計を変えることで、それぞれの環境で楽しめる音響空間を実現した。

 

・マルチメディアシステムは、SmartDeviceLink、Apple CarPlayやAndroid Autoに対応。

 

 

 

 

特別仕様車ストラクチュラルブルーを設定

 

LC500 Convertibleをベースに、青の洞窟をモチーフとした、専用外板色ストラクチュラルブルーと専用内装色ライムストーンによるカラーコーディネートを採用。

 

外板色のストラクチュラルブルーは、海の青と同様に特定の波長の光を反射する構造発色の原理を持つ鮮やかな青を実現したレクサスの独自のカラーで、これに白い海底に見立てた内装色ライムストーンと組み合わせ、外板色の青を際立たせ、自然が生み出す奇跡の現象を表現した。

 

 

 

<特別装備>

 

・特別仕様車専用エクステリアカラー(ストラクチュラルブルー)
・特別仕様車専用ルーフカラー(マリーンブルー)
・特別仕様車専用インテリアカラー(ライムストーン)
・フロント245/40RF21+リヤ275/35RF21ランフラットタイヤ&鍛造アルミホイール(ポリッシュ仕上げ+ブラック塗装)
・カラーヘッドアップディスプレイ
・特別仕様車専用スカッフプレート(CFRP)

 

 

 

 

LC500h/LC500の一部改良について

 

LC500h/LC500一部改良では、一体感のある走りを実現するため、基本性能の向上を図った。

 

 

 

 

・フロントのサスペンションロアアームのアルミ化、リヤスタビライザーバーの中空化、コイルスプリングの高強度材採用、ディスクホイールの軽量化(*4)など、ばね下質量を約3.7kg軽量化。また、バウンドストッパーの特性変更やAVS(*5)によるショックアブソーバーの伸び側減衰力の独立制御により、路面変化に対する追従性の高い、しなやかなサスペンションの動きを実現した。

 

・ショックアブソーバーの伸び側と縮み側を独立制御するAVSの制御をそれぞれ変更することで応答性を高め、サスペンションの質量低減効果を最大限発揮。加えてEPS(*6)の制御をより滑らかでリニアに。また、アクセルを踏み込んだ際に発生しやすいアンダーステアを抑制するアクティブコーナリングアシスト(ACA/*7)を新たに採用した。

 

 

 

 

・日常生活時の走行シーンにおいて、滑らかでパワフルな加速性能を感じられる駆動力特性を追求。ガソリンモデルでは、停止状態から100km/hあたりまでの常用域において、より気持ちの良い加速と強い伸び感、心地良いエンジンサウンド。ハイブリッドモデルでは、バッテリーの使用領域を拡大することで、モーターからのトルクアシストを増幅させ、駆動力をさらに向上した。

 

 

 

 

*1:太陽光が海底に反射し、海中を通過した青色の光だけが届くことにより、海面が青く輝く洞窟。
*2:通常モデルの販売開始に先駆け、60台の内40台は4月17日(金)~5月20日(水)までの期間に全国のレクサス店を通じてオーナー向けの先行商談・抽選申込みを実施。
*3:書道における折法(リズム)の一つ。たとえば漢数字の「一」を書くとき、(1)紙に筆を置き、(2)筆を右に進め、(3)筆を止める、といった3ステップで筆を運ぶが、書道ではこれを三折法といい、「トン・スー・トン」などのリズムで表す。

*4:21インチリヤアルミホイールのみ。
*5)AVS:Adaptive Variable Suspension system.
*6)EPS:Electric Power Steering.
*7)ACA:Active Cornering Assist.

 

 

[メーカー希望小売価格(円)]

 

*北海道地区のみ価格が異なる。リサイクル料金は含まれない。

 

 

■(レクサス)LC:https://lexus.jp/models/lc/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。