今回、神戸製鋼所が同ショールームを開設した背景には、世界の自動車メーカーで近年、車体軽量化の技術開発とその実用化のニーズが高まっていることが挙げられる。
現在、自動車メーカー各社は、地球環境保護対策として燃費規制が各国で益々厳しく強化される一方で、自動車事故に対する安全強化や自動運転技術に必要なコンピュータや多数のセンサーの搭載、動力の電動化に必要な電池の搭載等により、むしろ車重が重くなるという相反性の課題を抱えている。
その課題を解決する方法論として、前述のように車体軽量化の需要が高まっているのだが、同社では、こういった潮流をとらえ、中期経営計画でも自動車軽量化に関する取り組みを、3本柱の事業成長戦略の中の一つとして位置付けている。
そういった同社が、軽量化の実現策でメインに考えているのが、素材の置換。
従来の軟鋼主体から、ハイテン・超ハイテン鋼へ、さらにアルミ合金やCFRPといった非鉄素材も使う、いわゆるマルチマテリアル化が業界内で進行中だからだ。
そこで、同社は、こうした超ハイテン鋼やアルミニウム合金を一社で製造販売する世界的にも類をみない企業として自社を位置付け、その強みをよりアピールするために同ショールームを開設したという。
加えて、同社の藤沢事業所は、溶接材料において国内でトップシェアを誇る溶接事業部門の研究開発拠点として57年の歴史を持ち、首都圏にも比較的近いという利点もある。
同社は、このショールームのオープンにより、これまで以上に自動車メーカーや部品メーカーとのコミュニケーション等を図り、今後の事業拡大に繋げることを目指している。
自動車用接合技術ショールーム(藤沢事業所内)住所:
〒251-8551 神奈川県藤沢市宮前100-1
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