分析・計測機器大手の堀場製作所は、半導体関連の国際見本市「SEMICON Japan 2018」(12月12日〜12月14日・東京ビッグサイト)にて、同社子会社の英「ホリバMIRA(マイラ)」が持つ車両開発用テストコース等、次世代モビリティ関連の開発設備について紹介した。
同社ブースには、次世代モビリティ開発に対する同社の取り組みについて紹介したパネルを展示。
中でも、注目は、2015年に同社が買収したMIRA。
これは、ジャガー・ランドローバーやアストンマーチン等の地元英国企業をはじめ、ホンダ等の日本メーカー、また欧米を中心とした数多くの部品メーカー等が利用する試験施設だ。
所在地は英国バーミンガム、第二次世界大戦中には英国空軍基地だった場所に建設された施設は東京ドーム約60個分もの広さを誇り、全長4.5kmのテストコースや衝突試験設備等を保有。
設備には、コネクティッドカーや自動運転車両の限界挙動値を安全でリアルな環境下で試験でき、車両のコーナリング時の運転プログラムを検証・評価できる「高速限界挙動試験設備」や、制御可能な通信インフラを備えた「ITS and ADAS試験設備」等があり、様々な最先端技術の試験を行うことが可能だ。
また、安全機能の面では、ISO26262委員会に英国代表として参加しSAE J3061策定にも貢献、電気・電子システムの信頼性を高めるエンジニアリング・コンサルティング等のサービスも提供。
加えて、近年注目度が高まっているサイバーセキュリティ領域についても、サイバー攻撃やセキュリティの脆弱性に対応したサービスを提供する等の事業を展開している。
同社では、世界的に高いシェアを持つ自動車の排ガス計測等の事業に加え、自動車産業内で今後大きな投資が見込まれるエネルギーや安全領域、IT等を駆使した自動運転車両の領域への対応することを主な目的とし運営している。
展示会では、他にも滋賀県に建設中の電動化車両用バッテリーなどの評価試験設備「HORIBA BIWAKO E-HARBOR」も紹介。
琵琶湖の湖畔にあるこの設備内には、自動車開発試験設備「E-LAB」を設置。
この設備では、電動化車両用バッテリーセルやモジュール、パックなどの研究に関して、幅広い温度環境下における充放電サイクル試験や熱マネジメント耐久性評価など、バッテリーやバッテリーマネジメントシステムの研究開発及び性能、信頼性の評価試験に対応する。
稼働開始は2019年8月の予定だ。
英国と日本で、次世代モビリティに対応する設備を有する同社の事業は、自動車産業にどのように貢献していくのか。今後の動向に注目したい。