ステランティス傘下のファットブランドは9日18日(欧州中央時)、来たる2024年から発売予定としている600シリーズのハイブリッドバージョン、「新型フィアット600ハイブリッド」を発表した。( 坂上 賢治 )
かつて夏が到来して間もない7月4日に、旧リンゴット工場(イタリア・ピエモンテ州トリノ)の空中庭園に於いて、世界初披露となった電動車〝600e〟を携え公式プレゼンテーショを実施。Bセグメントマーケットでのフィアットブランドの復活を示した。そして今回、BEVへの移行ペースが進んでいない一部の国向けにハイブリッドバージョンが用意される。
この新たなハイブリッドモデルの投入についてフィアットのCEO兼ステランティス・グローバルCMOのオリビエ・フランソワ氏は、「当社が未来へ向けて進むべき道は100%ピュアEVへの転換です。そうしたなかで今日、500eがヨーロッパで最も売れているコンパクト電動車である事実が、私達のそうした想いを力強く後押ししてくれています。
しかし一方で100%ピュアEVがまだ本格的に普及していない国もあり、こうしたマーケットについて、引き続き私達は対応していかねばなりません。そこで、そうした国々に向けて電動車の世界を切り拓くべく、先の600eと共に新たにハイブリッドモデルを提案していきます。
フィアット600ハイブリッドは、スマートでユーザーフレンドリーなもうひとつの電動車です。そんな新型600の楽しさはハイブリッド パッケージでも変わりません。
600ハイブリッドに搭載されるMHEVエンジンは、快適性とパフォーマンスの両方を兼ね備えており、まだ100%ピュアEVの利用には躊躇されているお客様へ電動モーターを介したハイブリッド体験を提供します。
その魅力は市街地走行だけでなく、田舎道や郊外のワインディングロードでも、スムーズかつ刺激的な電動モーターによる走りを愉しむことができます。併せて低回転時や発進時の加速性能が鋭くなるにも関わらず、減速時には走行エネルギーを回収して蓄電することもできます。
こうしたモードは、時速30km未満の市街地走行時を支配し、渋滞時や駐車時ではアクセルを踏まずに一連の短い移動を繰り返して微速移動することも容易になります。
そんな同車のパフォーマンスは、最大100馬力を発揮する3気筒1.2リッター ICE エンジンと48ボルトのリチウムイオンバッテリー、新しいデュアルクラッチトランスミッションなどの相乗効果が生み出すもので、静止状態から約11秒で時速100kmに到達し、電動モーターからのアシストにより厚みのあるトルクを引き出します。
燃料消費も改善され、オートマチックトランスミッションを備えた通常の単独ICEエンジン搭載車と比較してCO2 排出量を最大15% 削減するように設計されており、推定 CO2 量は僅か110 ~114gです。
そもそもハイブリッド・パワーユニットには幾つもの利点があり、例えば特定の状況下では内燃エンジンを停止した状態で車両を走行させることができます。従って100%電動モード ( e-launch ) による走行はスムーズかつ静粛性が高く、ガソリンの無駄もありません。
また車格的には長さ4.17 メートルの全長で5ドア。5 人が乗り込んで快適に移動することが可能。室内の手回り品を収める収納スペースは15リットルを確保。これにフロント収納と容積385リットルのトランクも備えています。
最先端の安全機能とレベル2の運転支援機能も備えている新型フィアット600ハイブリッドが提供する実力は、日常生活に刺激と潤いを与えるにも関わらず、扱い易くリーズナブル。高速道路や市街地、郊外でのドライブなど、あらゆる場面で常に移動の自由を謳歌できるという意味で、多様な人々のニーズを満たすことができるでしょう」と語った。
なおこの新型ファット600ハイブリッドは、イタリア国内マーケットでは定価24,950ユーロで販売されることになるとしている。