NEXT MOBILITY

MENU

2020年8月12日【アフター市場】

コーンズ、アジア初の会員制サーキットを南房総で着工へ

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェ、ロールスロイス、ベントレーの正規販売代理店であるコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド(所在地:東京都港区、代表取締役社長:渡 謙作)は、会員制ドライビングクラブ“THE MAGARIGAWA CLUB”を2022年末、千葉県南房総市に開業することを目指し着工を開始した。(坂上 賢治)

 

施設のコンセプトは「どのサーキットにも似ていないコースを持つ、世界に唯一のドライビングクラブ」というもの。東京都心や羽田空港、成田空港から車で約1時間の立地で、富士山と東京湾を望みながら運転を心から楽しむことができる会員制のドライビングクラブの誕生を目指す。

 

現在、世界中には様々なサーキットが存在している。それらには車好きなら誰しも聞いたことのあるコーナーや、いまや有名になったレーシングドライバーが優勝したコースがある。それらは後に伝説となり、サーキットを走る人々の憧れの対象になっていく。今回、コーンズが設立させるTHE MAGARIGAWA CLUBもサーキットを走る人々の憧れの対象となる世界に唯一のサーキットであり、かつ同コースを持つドライビングクラブにしていきたいと話している。

 

 

 具体的にはコースが全長3.5km。併設したクラブハウスにはレストランやバーラウンジ、トレーニングルーム、天然温泉、スパのほか、家族連れでも楽しめるファミリーラウンジも備えられる。また広大な公園やドッグラン、トレッキングコースも併設され、様々なアクティビティを楽しむこともできるようにするという。なお初期募集枠の会員権はすでに完売した。

 

MAGARIGAWAの名称・シンボルマークは、建設地の地形・自然の特徴を表す「巛(マガリガワ)」という漢字をモチーフにした。MAGARIGAWAの豊かな自然、風土、流れる時間に身を任せる自然と一体となった唯一無二のクラブでありたいという想いを込めた。

 

 

 サーキットコースのデザインに関しては、F1サーキットの設計を一手に引き受けるティルケ・エンジニア&アーキテクト(Tilke Engineers & Architects)が行った。日本で初めてゼロからデザインをし、峠道のような上り20%、下り16%勾配、未知のスピードを体験できる800mのストレートを持つチャレンジングかつ安全に走りに集中できるコースとなる見込みだ。

 

会員は保有の愛車での走行が可能で、走行用車両は温度・湿度管理が徹底された長期保管区画に加え、走行前後の車両メンテナンスサービスも請け負う。加えてプロドライバーによるプライベートレッスンを受けることもできる。ピットを設けた空調完備のクラブハウスには最大36台の車両が停められる。

 

 

 建屋は、日本の伝統建築とモダンの要素を融合したデザインとし、バーラウンジやコースを走る車を眺めながら食事ができるレストラン、自然の中を歩いてピクニックもできるトレッキングコース、フィットネスジムや25mプール、スパ、天然温泉で体を休めリラックスすることもできるという。

 

着工にあたってコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド代表取締役社長の渡 謙作氏は「THE MAGARIGAWA CLUBはクルマ好きにとっての第二の故郷のような場所になるでしょう。

 

自動車に対する熱い思いを共にする友人たちや家族と最高の時間を過ごせる「聖地」とも言えます。また800馬力超のスーパーカーをどこでドライブするのか?長年答えのなかったこの問いへのアンサーでもあります」と述べた。

 

 

 対してコース設計を手掛けたティルケ・エンジニア&アーキテクトのマーネジング・ディレクターであるDr. カーステン・ティルケ氏(Dr. Carsten Tilke)は「プライベートサーキットを東京という大都市の近くに創るという話を聞いた時、ワクワクが止まりませんでした。

 

用意された土地は驚くほど起伏に富んでいて、世界でも稀にみるユニークなコースの礎となりました。これまで19のF1サーキットを含む80以上のサーキットを世界中でデザインしてきましたが、私たちにとってTHE MAGARIGAWA CLUBは唯一無二の特別な作品となり大変誇らしく思っています。

 

 

このコースは、あらゆるドライビングスキルの方でも楽しんでいただけるよう設計しました。安全性と周囲の環境保全策が整ったクラブの中で、連続するコーナーを攻略し、二本のストレートではアクセル全開で駆け抜け、1周3.5㎞の中で様々な楽しみを見つけて頂けるでしょう。皆様と同じ車好きとして、かつレーシングドライバーとして、私自身もこのコースを走ることが楽しみでなりません」と話している。

 

施設概要

【名称】THE MAGARIGAWA CLUB
【所在地】千葉県南房総市
【オープン日】2022年末予定
【敷地面積】約100万㎡
【コース設計】全長3.5km、上り20%、下り16%勾配、ストレート800m、コーナー22、標高差250m
【アクセス】車で東京都心および羽田空港から約1時間
【URL】https://www.magarigawa.com/jp/

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。