スペイン南部のアンダルシア地方から北極圏まで、欧州最大規模の充電ネットワークを構築
独・ボッシュことロバート・ボッシュGmbH(本社:シュトゥットガルト・ゲーリンゲン、代表取締役社長:フォルクマル・デナー)は現地時間の6月15日、欧州全域15万カ所以上の領域に電気自動車用の充電スポットを網羅できた発表した。(坂上 賢治)
ちなみに2020年3月末現在、独エネルギー・水道事業連合会(BDEW)が把握している国内の公共・半公共の充電スポットは2万7,730カ所であると報告している。一般の電気自動車のドライバーが単純にこの数字だけを眺めれば一見、充分な拠点数のように思える。
しかしこのうち約200社の充電プロバイダー。さらに個別の充電事業者が用意した充電認証カードを用いた充電ではごく特定の充電スポットしか利用できないこともある。また契約条件やプラグ形式の相違、さらに充電スポットの評価などもこれに関係してくる。
ひとつのアプリで15万カ所以上の充電スポットを検索可能とする包括的パッケージ
一方で電気自動車のステアリングを握る多くのドライバーは、空いている充電スポットを素早く見つけ、認証やパスワードの入力なしですぐに車両に接続でき、さらには充電料金も素早く簡単に支払って、充電に掛かる手間や時間をできる限り有効活用したいと考えいるはずだ。
しかし今は残念ながら、そんなスマートな対応と掛け離れた幾多の手順を踏まねばならない。実際、ドライバーの多くは自分のスマートフォンに平均して6つの充電スポットを検索するためのアプリをダウンロードしており、最大5枚もの充電認証カードの使い分けを余儀なくされている(出典:UScale、NewMotion)。
また、充電スポットの利用料金も場所や店舗によって大きく異なていることも多々あり、充電料金の不透明感と支払い方法の複雑さで、大抵の利用者は苛立ちを感じている。実際、今年5月の段階で、ドイツ国内だけでも電動自動車の料金体系は288にのぼるとされている(出典:EuPD Research、2020年5月)。
拡大を続ける充電ネットワーク:充電スポットは2020年末までに20万カ所まで拡大の見込み
そこでボッシュは、欧州域内に於ける〝充電の煩わしさを解消させる〟という社会命題を掲げ、欧州最大規模の充電ネットワーク整備を進めてきた。現在、同社では欧州16カ国全域で15万カ所以上の充電スポットをカバー。電気自動車のドライバーは、同社が用意したアプリからこれらの全てにアクセスすることができるという。
ドライバーはアプリを数回クリックするだけで登録、充電から料金の支払いまでを一気通貫でき価格設定の不透明さもない。またボッシュは国内に点在している各充電事業者との提携を通して充電スポットをリンクさせるネットワークを構築。ドイツ国内だけでも2万7,500カ所以上の充電スポットが同社のネットワークに加わった。
これによりドイツ国内に於ける多くの電気自動車のドライバー達は、ボッシュの専用アプリ「Charge My EV」や「Clever Laden」などを通じて、いつでもどこでも空いている充電スポットを探すことができるという。また同社の充電ネットワークは今も拡大し続けており、欧州全域で来る2020年末までに、カバー可能な充電スポット数は約20万カ所に達する見込みであると結んでいる。