ボルボ・カー・ジャパンは、プレミアム・ミッドサイズステーションワゴンV60の装備を一部変更するとともに、パワートレーンに48Vハイブリッドを導入することで全車電動化を図り、10月21日より発売開始した。
パワートレーンは従来の「T5」パワートレーンに代わり、新たに48Vハイブリッドモデル「B5」を採用し、エントリーパワートレーンとして「B4」を追加。また、プラグインハイブリッドモデル「Recharge Plug-in hybrid T6」を設定したことにより、V60は全て電動化された。
■48Vハイブリッドパワートレーン「B4」「B5」
「B4」「B5」は、ISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール)による回生ブレーキで発電した電力を48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電し、エンジンの始動や動力補助を行うというハイブリッドシステムを搭載している。ISGMはバッテリーモジュールへの充電、エンジンの始動、車両出力補助ならびに制動に使用される。スターターモーターに代わりISGMによりエンジンの始動を行うことで、アイドリングストップ後の再始動時におけるノイズやバイブレーションの大幅な低減と、より上質感のある走行性能を実現させた。
また、今回搭載される新世代パワートレーンDrive-E (ドライブイー)の 第3世代となる4気筒2L ガソリンエンジンは、約90%ものパーツが新設計された。優れた効率性と環境性能、コンパクトなデザインを実現しており、新世代ボディ構造とともに、高いレベルの衝突安全性能を達成した。シリンダーの表面処理の改良など、エンジン内部の摩擦 (フリクション) 低減を図るとともに、気筒休止システムを導入したことで、一定条件を満たした状態での2気筒走行が可能となり、燃費向上が図られている。
■プラグインハイブリッドモデル 「Recharge Plug-in hybrid T6」
V60に設定されるRecharge Plug-in hybrid T6 AWDは、ボルボの中大型車向けプラットフォームSPAのプラグインハイブリッドモデル。新しいプロダクトラインとなるRecharge (リチャージ)は、「外部充電可能」という意からの命名で、今後導入される電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車の呼称として使用され、電動化を推進するボルボ・カーズを象徴する位置づけとなる。
186kW(253ps) / 350Nm(35.7kgm)を発生するDrive-E2.0リッター4気筒スーパーチャージャー付き直噴ターボエンジンと240Nmを発揮する電気モーターをリアに配置。通常の「Hybridモード」をはじめ、電動モーターだけで駆動する「Pureモード」ではEV走行のみによるゼロエミッション走行が可能で、プラグインレンジは48.2kmとなっている。エンジンとモーター2つのパワーソースを最大限に活用する「Powerモード」も選択可能だ。
■エントリーグレードは「T5」から「B4」へ
今回、エントリーレベルのパワートレーンをT5 MomentumからB4 Momentumに変更。あわせて仕様装備の変更を行い「キーレスエントリー」、「運転席8ウェイパワーシート(運転席ドアミラー連動メモリー機構付)」、「パワーテールゲート(ハンズフリー・オープニング/クロージング機構付)」、「ドアハンドル(ボディ同色、グラウンドライト付)」を標準装備とし、B4パワートレーン搭載で499万円という価格を実現した。
■プラグインハイブリッドモデルにエントリーグレード追加
プラグインハイブリッドモデルのエントリーグレードとして「Inscription Expression」が新たに設定された。装備レベルを見直したことで、「Recharge Plug-in hybrid T6 AWD Inscription」と比較して抑えた価格を実現している。
■装備レベルの一部変更でPM2.5センサー採用
インテリアの装備が一部変更され、「CleanZone – アドバンスト・エア・クオリティ・システム(PM2.5センサー、車内自動換気機能付)」が採用された。車内から微粒子状物質を除去することでPM 2.5粒子を最大95%車外排出することが可能となり、これにより車内のエアクオリティが最適化され、大気汚染や微粒子による健康への悪影響を抑制するもの。あわせて「ワイヤレス・スマートフォン・チャージ」が標準装備された(Recharge Plug-in hybrid T6 AWD Inscription除く)。また、オプションのB&Wプレミアムサウンド・オーディオシステムがアップグレードされ、音場再現性が更に向上し、新たに“Jazz Club”モードが追加されている。
■最高速度制限およびケア・キーの導入
今回新たに、180km/hの最高速度制限とケア・キー(搭載されるキー2本のうち1本がケア・キー)が導入された。自動車の速度超過が死亡重症事故の大きな原因の一つであることから、すべてのボルボ車の最高速度を時速180キロに制限。また、ケア・キーを使用することにより、運転経験の浅い10代の若者や高齢者が運転する際、また他人に貸し出す際などに、予めクルマの最高速度を任意のより低い速度に制限しておくことができる。
■先進安全および運転支援機能を全車標準装備
先進の安全・運転支援機能「対向車対応機能」や「歩行者・サイクリスト検知機能」、「インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)」などを備える「City Safety(衝突回避・被害軽減ブレーキ・システム)」をはじめ、「全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」、「パイロット・アシスト(車線維持支援機能)」、「ステアリングアシスト付BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)」、「衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付CTA(クロス・トラフィック・アラート)」、「ランオフロード・ミティゲーション(道路逸脱回避機能)」、「オンカミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)」などを全車に標準装備する。
■V60 希望小売価格