2024年2月8日、イタリア・ミラノ(現地発)で実施された新たなコマーシャルフィルムの撮影現場で、新型アバルト600e(セイチェントe)のプロトタイプが初めて一般に明らかにされた。( 坂上 賢治 )
このローンチモデルと見られるクルマは、過去最大のパフォーマンスを達成するための機能設計。未だかつてなかったパワフルなアバルトとして相応しい車体構造の検討。そして電動モーターならではのトルクフルな走りに期待を寄せるEVファンを掴み取るためのモディファイが施されたようだ。
そんな新型アバルト600eは、昨年ミラノで初公開された後、量産を視野に最終テストも受け、今回始まった新しいコマーシャルの撮影もいずれ佳境となる。
その後、まずはローンチ版となる「Abarth 600e Scorpionissima launch edition(アバルト600e スコーピオニッシマ ローンチエディション)としてアバルトブランド生誕年にちなんだ1,949台が、限定生産仕様として特定市場へ向けて解き放たれる予定とされる。
今回の新型アバルト600eには、115kWの電動モーターと54kWhのリチウムイオン電池から発生する240ps/177kWのeパワーシステム。最良のトラクション性能を保証するための専用の機械式リミテッド・スリップ・ディファレンシャル(LSD)。改良されたステアリングフィールのチューニング、そして更なる高みを目指すべくフォーミュラEでの戦いから誕生した20インチの高性能タイヤが履かされている。
その他のエクステリアには、フィァット600eがベースシャシーと考えられるなか、ボディ各部にちりばめられたアバルトのロゴマーク。ブラックアウト化したドアノブ、サイトミラーサイドスカート。フロントパンパー下にもブラック調のスカートが組み付けられ、ルーフには後方に突き出したエアロスポイラーを備えている。
しかし、その外観は明らかに伝統のアバルトであり、専用のヒプノティック・パープル(Hypnotic Purple)のボディ色がこれまでにない新たなアバルト像を訴求。空力の抜け効果を持たせたリアスポイラーは、持ち前のパフォーマンスを最大限に高めるように設計されている。
日常を非日常に変えるといういつものアバルトの目標は 、 今回の600eを介して再び達成されそうだ。そんな最新鋭のアバルトは、エンジニアの知識と持ち寄られた各種装備が組み合わされ、常識を超えるパフォーマンスを提供できるとアバルトでも述べている。