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2024年9月5日【SDGs】

ABボルボ、航続距離600kmのBEVトラックを発売へ

坂上 賢治

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ABボルボ傘下のボルボ・トラックは9月3日( スウェーデン イェーテボリ発 )、来年に1回の充電で最大600km走行可能なFHエレクトリックの新しい長距離バージョンを発売することを明らかにした。

 

これにより、運送会社は地域間および長距離ルートで電気トラックを運用し、充電せずに1日中運転できるようになるという。新しいボルボFHエレクトリックの具体的な発売時期は、2025年後半が想定されている。

 

このFHエレクトリックの新しい長距離バージョンについて、ボルボ・トラック社長のロジャー・アルム氏は、「同製品は、当社のEVトラックの製品ラインナップを補完する製品となり、たとえ長距離輸送であつても排気ガスゼロでの輸送を可能にします。トラックの年間走行距離が長く、CO2削減に強い関心を持つ輸送会社にとって、同車両は素晴らしいソリューションとなるでしょう」と述べた。

 

 

今回、600kmの航続距離を実現した背景には、ボルボの新しいドライブライン技術にあり、その立役者はe-アクスルが果たす役割が大きかった。

 

これにより、車載バッテリー容量を大幅に増やすスペースが生まれ、それが効率的なバッテリー搭載を可能にした。更に改善されたバッテリー管理システムやパワートレインの全体的な効率化も航続距離の延長に貢献しているという。

 

現在、ボルボ・トラックは、8 つのバッテリー電気モデルをポートフォリオに持つ中型および大型電気トラックのリーディングカンパニーになりつつある。

 

この幅広い製品ラインナップにより、都市および地域の配送、建設、廃棄物管理領域でも活用され、今後は一定の長距離輸送も担えるようになる。そんなボルボ・トラックは、これまでに世界46か国の顧客に延べ3,800台超のBEVトラックを納入してきた。

 

先のロジャー・アルム社長は、「輸送部門は、世界の炭素排出量の7%を占めています。そうしたなかでBEVトラックは、気候への影響を減らすための重要なツールです。

 

BEVトラックは、環境上での優位性をもたらすことに加えて、車両の騒音や振動のレベルが大幅に低下し、トラック運転手にとっては、これまで得られなかった快適な運転環境が実現します。

 

我々は長年、化石燃料を使用しない輸送への移行を推し進めることで、来たる2040年までにネットゼロの排出目標を達成します。そんな当社の環境に係る技術アプローチは、グリーン水素、バイオガス、HVO (水素化植物油) などの再生可能燃料で稼働する車両生産技術にあり、その実現を、蓄電池、燃料電池、新世代の内燃エンジンで取り組んでいます」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。