日産が一から開発した初めての軽
日産自動車は3月28日、軽自動車「日産デイズ」を6年ぶりにフルモデルチェンジし、同日から発売を開始した。
新型デイズは日産がベースから開発した初めての軽自動車であり、プロパイロットなどの自動運転機能を軽自動車に初搭載。日本市場を担当する星野朝子専務執行役員は横浜の日産本社で開いた新車発表会で、こうした特徴を捉え「軽自動車も自動運転時代が幕開けした。間違いなく、すごい軽自動車だ」と表現した。月販目標は8000台。
新型デイズは日産と三菱自動車の軽企画合弁会社NMKVのマネジメントのもと、日産が企画、開発し、パワートレイン、プラットフォームそれぞれを一新した。デザインは、街中でパッと目を引くダイナミックでスタイリッシュなスポーティモデルの「ハイウェイスター」とスタンダードモデルの標準車」の2タイプを用意する。
パワートレインには新型エンジン、新型自動変速機(CVT)に加え、新たにリチウムイオンバッテリーを採用した「スマートシンプルハイブリッド」を搭載。これにより動力性能が大幅に向上し、発進や追い越し時の加速がよりスムーズに発揮できるようになった。
新開発したプラットフォームは全長を旧型に比べて65ミリメートル拡大。これにより「広いキャビンスペース」「広いラゲッジペース」を両立。とくに後席スペースは70ミリメートル拡大し、小型車クラス並みのスペースを確保した。
加えて、新型デイズの大きな特徴が自動運転技術をはじめとした先進技術を数多く採用したことだ。
軽自動車初のプロパイロット搭載
その一つがセレナやリーフ、エクストレイルなどに搭載されている車間距離や操舵を制御するプロパイロットを一部グレードに軽自動車として初めて採用。これによりドライバーが負担を感じる高速道路での渋滞走行や長時間の巡航走行時のストレスを軽減し、ロングドライブを身近で、気軽なものにしてくれる。
万一の危険時でも安心して運転ができる先進事故自動通報システムSOSコール(ヘルプネット)も軽自動車として初めて設定した。SOSコールは交通事故や急病などの緊急時や事故の危険がある時に、専門のオペレーターへのデータ通信と音声通話ができ、通報は2種類ある。
交通事故などでエアバッグが作動した際に自動的に通報するものと、SOSコールスイッチによる手動通話があり、通報後は専門のオペレーターが車両からの情報をもとに、消防指令センターや警察への連絡、緊急車両の手配などをサポートしてくれる。
さらに衝突回避および被害軽減をサポートするインテリジェント・エマージェンシーブレーキを全車に搭載するほか、走行車線を逸脱しそうな場合に警報でドライバーの注意を喚起する「LDW(車線逸脱警報)」と車線内に戻す方向に力を短時間に発生させ、ドライバーがクルマを車線内に戻す操作を支援する「インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)」を日産の軽自動車に初めて採用。アクセルとブレーキの「踏み間違い衝突防止アシスト」、「ハイビームアシスト」などの先進技術を備える。
このように進化した日産の軽自動車。星野専務執行役員は今や市場の4割を占める軽自動車の中で、単に「燃費が良く、使い勝手が良いだけでなく、より安全、より便利、より快適性を備えたクルマとして登場した」と述べるとともに、ゲームチェンジャーとして「軽市場を変革する」と意気込みをみせていた。希望小売価格(消費税込み)は127万3320円~177万8760円。( 佃モビリティ総研・松下 次男 )