純粋な走りを愉しめるアウディらしさを走りで具現化
アウディAG(Audi AG)は10月23日(独インゴルシュタット発)、フランス南部で催したワールドプレミアに於いて新型A5を発表した。その発表概要によると同シリーズ車両は、プレミアム プラットフォーム コンバッション(PPC)をベースにしたミッドサイズ向けシャーシに今回、初搭載となるMHEV plusマイルドハイブリッド技術を活かしたパワーユニットを搭載したという。
Audi A5 Sedan
このMHEV plus技術は、新型アウディA5 TDIおよびアウディS5の絶対性能を引き上げるべく、内燃エンジン、発電機、ベルトスタータージェネレーター、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを組み合わせることで最大18kW(24馬力)の追加電力を活かした48ボルトマイルドハイブリッドシステムになっている。
具体的には、市街地のストップ・アンド・ゴー時には、おおむね電動パワーのみで走行。中高速域を加えて減速時には、最大25kWの回生ブレーキを介してリン酸鉄リチウムイオンバッテリーへ充電。こうして溜められた電力は、特に低速走行時の燃料消費を大幅に削減させることに使われる。それ以上に蓄えられた電気エネルギーは、信号待ちなどで内燃エンジンが停止している間、電動エアコンプレッサーなど電力を多く消費する補器システムへも電力を供給する仕組みだ。
Audi A5 Sedan
走る・曲がる・止まるを支えるシャーシは、アウディブランド特有のハンドリング特性を引き続き実現することを最優先にするべく、ステアリング機能をボディに直接取り付けた上で剛性の高いトーションバーを使用するという大幅な改良を加えている。
この結果、ステアリング、ホイール間の遊びが大幅に減少。ドライバーはどのような路面状況であっても、路面変化などの正確なフィードバックを、これまで以上のリニアさで受け取ることができるようになったとしている。
Audi A5 Avant
また若干リア寄りとされたアンチロールスタビライザーとリヤアクスルへ接続剛性を高めることでコーナリング時のハンドリング特性もより敏捷にし、ブレーキトルクベクタリングを備えた統合型のブレーキ制御システムによりブレーキ踏力時の圧力上昇のリアルさも高まったことで、よりダイナミックなコーナリングが愉しめるようになった。
デジタル化を一層推し進めて、快適さのレベルをより高く
サスペンションもオプションで車高を20mmダウンするSスポーツサスペンション(Audi S5には標準装備)を用意。更に電子制御ダンパー付きのSスポーツサスペンションも選択できる。この電子制御ダンパー付きサスペンションはハードな走りに合わせてより硬くしたり、リラックスした走りを愉しむためのコンフォートモードも用意されている。
Audi S5 Avant
インテリアでは乗り込んだ際に11.9インチのアウディバーチャルコックピットと、曲線デザインの14.5インチMMIパノラマディスプレイが目に飛び込んでくる。更に望めば10.9インチのMMIパッセンジャーディスプレイも追加することが可能だ。
ヘッドアップディスプレイ(HUD)も新たに開発された。これは室内環境に最適化された上で視認領域が従来より85%以上広くなり、その表示は更に正確になった。ドライバーは手元のステアリングホイールの操作系スイッチを介して道路から視線を逸らすことなく表示リストをスクロールすることができる。またHUDを通じて電話の受発信も可能だ。
このディスプレイを活かすべく、ドライバーズコクピットには自然な話し言葉を理解する上に自主学習も行うアウディアシスタントが搭載されている。ドライバーは「Hey Audi」の音声コマンドや、ステアリングホイールのボタンでアシスタントを起動し、様々な車両機能の操作や、ナビゲーションの開始、一般的な知識に質問に対する回答が得られる。
Audi S5 Avant
更に仮にアウディアシスタントが質問に答えられないケースが生まれた際は、Microsoft AzureのOpenAIサービスを介して提供されるAIチャットボットのChatGPTが使用されるから、複雑な質問に関しても膨大なデータベースからのレスポンスが返ってくる。
ドライバーが音楽を楽しみたい場合は、合計20個のスピーカー、810ワットの2つのアンプ、3Dサウンドを醸し出すヘッドレストスピーカーを備えたBang & Olufsenプレミアムサウンドシステムがオプションで用意されている。
Audi S5 Sedan
ヘッドレストスピーカーは通話時の音が漏れ難く、フロントシートに着座した乗員はプライベートな通話も可能。ナビゲーションの指示も運転者のヘッドレストに直接伝わることから、他の乗員に煩わしさを与えることもないと結ばれている。