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2021年4月28日【アフター市場】

ナビタイム、新東名・国道138号バイパスの開通効果を分析

NEXT MOBILITY編集部

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ナビタイムジャパンの交通コンサルティング事業は4月28日、新東名高速道路 新御殿場IC~御殿場JCTの開通ならびに国道138号須走道路(須走口南IC~水土野IC)、国道138号御殿場バイパス(西区間)(水土野IC~ぐみ沢IC)、国道469号バイパス、県道仁杉柴怒田線の同時開通に伴う影響調査の結果を発表した。

ナビタイム・ロゴ

新東名高速道路は、海老名南JCT~豊田東JCT間を結ぶ全長約254kmの高速道路を指す。このうち、新東名高速道路新御殿場IC~御殿場JCT間の約7kmが2021年4月10日(土)に開通。また、国土交通省と静岡県が協同で事業を行った国道138号バイパス等も同時開通し、東名高速道路や国道138号(現道)、御殿場IC周辺の渋滞解消の他、富士山周辺から箱根・伊豆地域など観光地間のアクセス向上などが期待されている。

 

この分析では、上記道路の開通前後において、主に国道138号(現道)・国道138号バイパス(新規開通区間)に着目し、これら道路から東名高速道路・新東名高速道路を利用した自動車の方面別割合の変化や、国道138号(現道)の所要時間の変化を分析した。

 

なお、分析にはナビタイムジャパンが提供するカーナビアプリ(『カーナビタイム』、『トラックカーナビ』他)から取得した走行実績データを活用しており、道路開通日の4月10日を基準に、開通前の平日(4月5~9日)と開通後の平日(4月12~16日)の交通状況を比較した。

 

 

 

分析結果

 

①国道138号(現道)・国道138号バイパスから、東名高速道路・新東名高速道路を利用した自動車の方面別割合の変化

 

【結果1】
国道138号(現道)を経由し御殿場ICから静岡県方面に向かう自動車が30%以上減少
国道138号バイパス及び新御殿場ICの開通に伴い、国道138号(現道)を経由し御殿場ICから東名高速道路(図2青色の経路)を利用した自動車の各方面別台数割合を調査した(図4のA)。上記道路の開通前後(平日)の各方面別台数割合を見ると、御殿場ICから静岡方面に向かう自動車が44%→12%と約30%減少していることがわかる。

 

【結果2】
国道138号バイパス及び各高速道路を利用した自動車の約60%が新御殿場ICから新東名高速道路を静岡方面に走行
新規開通区間である国道138号バイパスから東名高速道路あるいは新東名高速道路(図3赤色の経路)を利用した自動車の各方面別台数割合を調査した(図4のB)。開通後(平日)の各方面別台数割合を見ると、国道138号バイパスを利用した自動車の約60%(図4のBの赤点線枠)が、新御殿場ICから新規開通区間である新東名高速道路を静岡方面に走行していることがわかる。

 

以上の結果から、新東名高速道路 新御殿場IC~御殿場JCT開通ならびに国道138号バイパス等の開通により、国道138号(現道)から御殿場ICを経由し東名高速道路を静岡方面に向かう自動車の多くが、国道138号バイパスから新御殿場IC経由に転換していることが示唆される。

 

 

 

②国道138号(現道)所要時間の変化

 

【結果】
須走道路 須走IC付近~国道138号(現道)~御殿場ICまでの所要時間が約4分短縮
国道138号バイパス及び新東名高速道路 新御殿場IC~御殿場JCT間の開通に伴い、須走道路 須走IC付近から国道138号(現道)を経由し、御殿場ICまでの開通前後の所要時間の変化を調査した。結果を見ると、上記道路開通後における本区間の所要時間が開通前と比較し、約4分短縮していることがわかる。

 

この結果から、道路開通により並行する国道138号(現道)の混雑が解消傾向であることが示唆される。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。