オートメーション技術で知能ロボットを提供するMujin( ムジン )は、SUBARUの群馬県・大泉工場へ、独自のソフトウェアプラットフォーム「Mujinコントローラ」と、バラ積みピッキング知能ロボット「PickWorker」を用いてクランクシャフト鍛造粗材加工ラインの投入作業を自動化した。
上記のソフトウェアプラットフォームの活用で、これまで非常に困難であった以下3点を実現した。
- 複雑な形状の粗材ハンドリングをティーチレスで実現
- タクトに悪影響を与えず、スペースの最小化を実現
- リアルタイムデジタルツイン環境で知能ロボットセル全体の状態可視化を実現
独自ソフトウェアプラットフォームによる自動化メリットは以下の通り
- (1)複雑な形状の粗材ハンドリングをティーチレスで実現
知能ロボットを用いた自動化では、従来の自動化に比べ知能ロボットセル立ち上げまでにかかる工数を削減。
- また、複雑な形状の粗材ハンドリングに必要だった人員の省人化を可能とした。それを可能とするのは、Mujin独自のソフトウェアプラットフォームにある。
- ソフトウェアプラットフォームで、対象物の形状や周辺環境を高精度で認識する3Dビジョンシステム・ロボットハンド・アーム・各種センサー類を一括制御することで、3Dビジョンシステムによるリアルタイムな認識結果を基に、瞬時に最適なロボット動作を計算・生成する。
- そのため、事前にロボット動作を一挙手一投足ティーチングする必要がなく、複雑な形状の素材を扱う場合も、知能ロボットが柔軟な対応を可能とした。
- (2)スペースの最小化を実現
Mujinのソフトウェアプラットフォームは、既存の工場内にて新たに自動化設備を導入する場合でも、大型のロボットを採用しながらも、必要最低限のスペースでの自動化を叶える。
- 高度なデジタルツイン技術により、現実と同じデジタル環境での事前ロボット動作計画シミュレーションができるため、設計段階で最低限必要なスペース算出する。
- (3)リアルタイムデジタルツイン環境で知能ロボットセル全体の状態可視化
Mujinのソフトウェアプラットフォームを基盤に構築する知能ロボットセルは、導入後の安定稼働に貢献する。
- 万が一のトラブル発生時でも、リアルタイムデジタルツイン技術により、セル内のどこで何が起きているのか詳細がリアルタイムで可視化されているため、リモートサポートによる初期対応・早期原因追及・トラブルに対する適切な対処が可能。
- また、粗材同士が絡まることでロボットが2個同時に把持し、一時的に停止してしまうことを未然に防ぐためのセンサーによる異常検知機能を搭載した。これにより、導入後の安定稼働を下支えしている。
今回導入した「PickWorker」は、バラ積みされた様々な部品のピッキングをティーチレスで自動化する知能ロボット。SUBARUでは、Mujinだからこそご提供できるソフトウェアプラットフォーム基盤の自動化を評価、今後他ラインへの導入検討もしているという。
企業名:株式会社SUBARU
創立:1953年
代表取締役社長:大崎 篤
企業名:株式会社Mujin
創立:2011年7月
CEO 兼 共同創業者:滝野 一征