例えば、今後も現在の株式公開企業として事業を進めていった場合、時に株価が大きく暴落することもあるでしょう。ただそこで起こる事象は、当社で働く皆さんにとって、大きな問題に発展する可能性があります。
当社の株式が一般に向けて、広く公開されているということは、四半期毎のテスラの収益サイクルに良くも悪くも多大な影響を与え、その時々の経営判断で経営陣が正しい決定を下すことに対して、外部から大きな圧力が掛かることもある筈です。
しかしそのような外部からの圧力に沿った経営判断は、当社の長期的な事業戦略を考えた際、必ずしも正しいとは言えない局面に陥る可能性があります。
我々テスラの経営陣は常に長期的視点を以て、最善を尽くして会社を運営しており、また多くの株主に於かれては、そのような我々の挑戦を暖かく見守ってくれているものと信じています。
しかし株式市場に於いて、当社の株式が広く公開されるということは、我々を応援してくれる株主がいるという反面、当社が正しいと信じる判断を阻止しようとする人々も、時に存在することを意味します。
またもうひとつ、テスラの株式を非公開とする方が良いとする理由の一例として、ここでロケット事業の「SpaceX(スペースエックス)」を挙げたいと思います。
このロケット事業は操業以来、効率的かつ順調な成長を続けており、その理由のひとつは、企業の株式が非公開であるという事実に助けられていると私は考えています。
但しテスラが常に「株式の非公開会社」として運営していくことが、常に理に叶っていると言っている訳ではありません。将来、テスラがより予測可能な成長段階に入った際は、公開市場に戻るべき時期がやってくるだろうと考えます。