この流れを受け、同社監査役会は空席となった取締役会会長に、暫定策としてアブラハム・ショット氏(56歳)を取締役会会長に任命し、これを即時に発効させた。同措置は、シュタートラー氏の拘束に至った状態が解決されるまで暫定的に適用される。
同社グループはこの措置について、「逮捕につながった状況が明らかになるまでの一時的なもの」としているのだが、シュタートラー氏の勾留期間は現段階では未定であり、これを踏まえて、経営の空白を防ぐ目的が内包されていると考えられる。従って当地では、この状況の長期化が懸念されている。
またアウディAG及びフォルクスワーゲンAGでは、同事件に関わるシュタートラー氏を含むグループ企業の取締役の関与については一切否定。今回についても推定無罪の原則が適用されると話している。
アブラハム・ショット氏は、オランダ・ロッテルダム生まれで独ダイムラーから2011年のフォルクスワーゲン移籍を経て、2017年9月1日にアウディAGの取締役に就任し、以降、販売・マーケティングを統括していた人物である。( MOTOR CARS より転載)