光岡自動車(本社:富山県富山市、代表取締役社長:光岡章夫)は2020年11月に発表した新型SUV〝バディ(Buddy)〟の受注量が拡大し続ける現況を鑑み、納期の長期化を解消するべくトノックス (本社:神奈川県平塚市、代表取締役会 長兼社長:殿内荘太郎)と三菱ふそうバス製造 (本社:富 山県富山市、代表取締役社長:藤岡佳一郎)へバディの車輌製造委託を行う。(坂上 賢治)
1966年当時、同社・創業者の光岡進氏がコンテッサなどの乗用車セールス担当として勤務していた日野自動車が商用車専業となった事で独立を決意。1968年に板金整備を営む光岡自動車工業を個人創業し、1970年にカーショップ光岡自動車へ。
更に1993年に当時、英国車をリスペクトした〝ビュート〟を発売。1994年には、遂にオリジナル車〝ゼロワン〟を発表して組立車として認可され、後に型式指定を受けて現在の光岡自動車となって以降も含め、外部への車両製造委託は同社としても初の事業拡大となる。
今回、光岡が車輌製造の委託を決めた両社の内、まず〝トノックス〟は当初、自動車メーカーで勤務していた殿内廣氏(創業者/故人)が1948年に横浜市で事業を開始。2年後の1950年に殿内工業株式会社(現・トノックス)となった当時は日産自動車からの委託を受け、ダットサントラックやフェアレディ、キャラバン、初代シルビアなどの製造を手掛けてきた経緯がある。
その後、同社は複数の完成車メーカーからの製造委託に加え、その他の顧客企業からの特別注文に沿って、道路やトンネル点検などに供される計測解析車両や標識車、警察車両、消防車の架装を手掛けるなどで特装車両の製造へと事業拡大してきたが、併せて、持ち前の保有技術を活かすべく旧い乗用車のレストアにも精力を注いでいた。これらが同じ架装事業を手掛けてきた光岡自動車との接点となり、親交を温めてきた。
更にもう一社の〝三菱ふそうバス製造〟は、1929年設立の呉羽紡績から生まれた呉羽航空機が源流となる。戦後の同社は、機体製造技術を背景とするモノコックバスボディ製造に事業上の活路を見出し、1950年に呉羽自動車工業となった。その後の1993年、三菱自動車工業の傘下となって以降、富山市婦中町地区でFUSOブランドのバス製造を担っている。
そもそもこの婦中町は、光岡自動車の光岡進氏にとっても起業の地であり、それを原点とする婦中町の地域活性化を目指す両社の想いから車輌製造委託に至る合意が育まれてきたと言う。
そうした経緯で上記2社と、現在、受注拡大が続くバディの追加増産を視野に車輌製造委託で合意を得る事が出来たのだとしている。この結果、バディのなかでも特殊な一部仕様を除き、現時点での納期約2年を1年半程度へと、光岡としては概ね6か月程度前倒しできる見通しと述べている。
光岡自動車では「バディは、当社初のSUVとして2020年11月の発表以来、大変多くのお客様へご関心をお寄せ頂き、発表から1年足らずにも関わらず、累計受注台数が当初計画した年間生産台数(150台)の5倍に達する等で長期化した納期が課題となっ ておりました。
そんなバディは、従来のミツオカラインナップと比較して製造効率が飛躍的に向上しており、主要架装部品が量産性に適した金型による射出成型品や、鉄板プレス成型品を多用することにより、製造委託に適した商品となっております。
こうした要素を踏まえ、これまで長年に渡り自動車製造・架装経験のある2社との合意は、バディの納期短縮の実現に大きく寄与するも のと期待しております。 また現在、バディをお申し込み頂いておりますお客様や、これからご検討されるお客様へ、一 日でも早く車両をお届け出来る体制が整う事でお喜び下さる事と願っております」と話している。
生産協力工場2社の企業情報は以下の通り
株式会社トノックス:代表取締役会長兼社長/殿内荘太郎
所在地 : 〒254-0021神奈川県平塚市長瀞 2 番 6 号
代表電話 : 0463-23-2525
設立 : 1950年10月
資本金 : 3億3千万
従業員数 : 300名
三菱ふそうバス製造株式会社:代表取締役社長/藤岡佳一郎
所在地 : 〒939-2757 富山県富山市婦中町道場 1 番地
代表電話 : 076-466-9311
設立 : 1950年4月
資本金 : 66億3千万
従業員数 : 700名