光岡自動車は、流麗な2人乗りオープンカーとして平成20年12月から同社らしいハンドメイドワークで制作・販売してきたHimiko(ヒミコ)のフルモデルチェンジを行い、東京都港区で記者団を集めて初披露。この平成30年2月23日より全国一斉発売を開始した。(坂上 賢治)
このヒミコは、前モデルと同じく走行性能で高評価を得ている「マツダロードスター」をベースモデルに、独自のカスタマイズを経て完全オリジナルの光岡製のオープン・スポーツカーを生み出す手法は先代同様である。
しかし今回完全刷新となった新型ヒミコは、持ち前のロングノーズ&ショートデッキのプロポーションに磨きを掛け、先代モデル以上のクラシカル感溢れるオープン・2シーターらしいボディスタイルをさらに洗練させている。
そのアピアランスは、先代モデルよりもホイールベースを短縮しつつ、車体前後のオーバハングを拡大したもの。
その結果、クラシカルなボディスタイルを強調しつつも、先代ヒミコとはイメージの異なる「線が太く無骨」なスポーツカーらしい訴求イメージを強めた。
実はここ数年間に亘って光岡自動車は、ヒミコの海外販売台数の比率を着実に積み上げており、その仕向地はオープンカーが愛される英国を筆頭に、モナコなどの欧州全域に広がりつつある。
そうしたことから今刷新となった新型車両の開発にあたっては、欧州の中核エリアのエンスージアストの要望にも応えていくべく、走りの爽快さを1段も2段も高めるべく、基本設計の段階で、先代では持っていなかった「強さや懐の深さ」を想起させるイメージを新たに取り入れている。
具体的には、LED イルミネ ーションランプが組み込まれた押し出し感の強いフロントフェイス。さらにボンネットフード左右を包み込むフロントフェンダーには強い起伏感持たせてボリュームを高めた。結果、車格全体が1セグメント分上位に上がった様な印象を持たせるほどの力強いクラシカルシルエットを創り出している。
またそのシルエットは、ボディサイドからリアに向かうにつれ、セッションが低く狭く絞り込まれ、その末端に位置するリアビューランプは、一目でミツオカ車と判るオリジナルデザインで統一されている 。
またトランクフード末尾には、数多くのビンテージカーに見られる外付けトランクをイメージしたトランクボックス的な造形物を組み込むなど、昔懐かしい自動車旅の雰囲気も演出している。
車体の外寸では、前モデルよりもホイールベースを120mm短縮。しかし一方でフロントオーバーハングは140mm延長された。対してリアオーバーハングは15mm短縮。 全幅は10mm拡大したことでグラマラス感が強調された。前後重量配分は4 8 :52のバランスとしている。
今モデルからは機能性にも一層の拘りを見せており、例えば空力特性面ではフロントアンダーカバーとフェンダーサイドパネル内部を翼断面形状として、高速域でのダウンフォ ースを獲得。さらにフロント側から取り入れた空気をボディサイドからしっかり流すことで、操縦安定性の向上も狙っている。
なお車両生産にあたっては、従来車と同じく同社工場に於いて、一台一台、手間暇を掛けてハンドメイドで造り込まれる事に変わりなく、車格感が上がった印象を持たせながらも価格は500万円台の維持に努めており、光岡章夫社長によると事業上の採算面を考えると全く商売にならないクルマだと云う。しかし自社を代表するフラッグシップカーとして誇れるクルマであるから、今後もコツコツと丹精込めて作っていきたいと述べていた(MOTOR CARSより転載 坂上 賢治 )。
Himiko( ヒミコ )車輌概要
発売日:平成30年2月23日(金)
車輌寸法:全長4,580 mm、全幅1,740mm、全高1,235mm
ボディカラー全7色:エターナルブルーマイカ、アークティックホワイト、セラミックメタリック、ジェットブラックマイカ、 パッションレッドメタリック、マシーングレープレミアムメタリック、スノーフレイクホワイトパールマイカ
グレード及び車輌本体価格