総合化学メーカーの三井化学及び同社グループのプライムポリマーは、5月30日、三井物産と共同で、自動車部品の軽量化に貢献する素材ポリプロピレン(PP)コンパウンドのグローバルな需要拡大に対応するため、オランダ Chemelot工業区内に欧州初の自社生産拠点「Mitsui Prime Advanced Composites Europe B.V.」を設立し、2020年6月に営業運転を開始すると発表した(写真上は工場完成イメージ図)。
この動きは、昨今の環境規制強化による自動車の軽量化ニーズの高まりにより、PPコンパウンドを使用したバンパーやインパネ材等の需要が世界中で年々増加していることが背景にある。
同社グループでは、現在、世界8つの地域(日本、アメリカ、メキシコ、欧州、タイ、中国、インド、ブラジル)に製造拠点を、5つの地域(日本、アメリカ、欧州、タイ、中国)に研究拠点を有し、高品質なPPコンパウンドの生産・販売・研究体制を強化している。
今回のオランダへの拠点設立もその流れの一環で、同社の軽量化技術が欧州自動車メーカーから高い評価を得ていることも、拠点設立を後押ししたようだ。
欧州に製販研の一貫体制が整うことになった同社グループでは、今後、欧州拠点の自動車メーカーや部品メーカーに対し、より効果的な軽量化ソリューションを提供することを目指す。
<新会社の概要>
会社名(仮称):Mitsui Prime Advanced Composites Europe B.V.(略称ACE)
所在地 :オランダ・リンブルグ州 Chemelot工業区内
設立 :2018年6月
資本金 :18.4百万ユーロ(約24億円)
出資 :三井化学75%、プライムポリマー10%、三井物産15%
生産能力 :30千t/年
営業運転開始:2020年6月予定