販売台数を増やすも、経営方針見直しや円高影響で大幅減益へ
三菱自動車が7月24日発表した2020年3月期第1四半期(2019年4~6月)連結決算は、販売台数を伸ばしたものの、在庫調整や為替の影響で大幅減益を余儀なくされた。一方で、決算発表会見したダプタ・アシュワニ代表執行役COO(最高執行責任者)は「在庫調整は経営方針の見直しのためで、前期末から計画していたものだ。第2四半期以降は商品をきっちりと投入し、主力のASEAN(東南アジア諸国連合)や日本で成長できる」と述べ、業績回復へ自信を示した。2020年3月期連結業績予想は期初見通しを据え置いた。
2019年度第1四半期の業績は売上高が5362億円で前年同期比4%減、営業利益が39億円で同86%減、当期純利益が93億円で同67%減となった。販売台数は29万8千台で同2%増だった。主力のASEAN・豪州・ニュージーランド、それに日本で販売台数をの伸ばしたが、米中貿易摩擦の影響を受け、北米、中国市場が減速感が強まったとした。
第1四半期が大幅減益となったことについては、在庫を10%減らすなど「経営方針の見直しのため」と特有の要因を強調し、第2四半期以降へ影響は軽微との見解を示した。
2020年3月期通期見通しは、主力のASEANや日本市場で注力し、業績を推進し、期初見通しを実現へ
逆に、第2四半期から第4四半期にかけては、主力のASEANや日本市場などへ新型車投入を予定しており、これらの市場で成長が見込めると判断。アジアやアフリカなど輸出先も10か国増やす考え。欧州も環境規制強化からPHV(プラグインハイブリッド車)が好調という。コスト最適化も進める。
こうしたことから2020年3月期の通期業績見通しについては、期初予想の売上高2兆5800億円(前期比3%増)、営業利益900億円(同19%減)、当期純利益650億円(同51%減)の達成は可能との判断を示した。
また、7月初めに発表したインドネシアのモビリティ・サービス会社、GOJEK(ゴジェック)への出資(三菱自、三菱商事)については、市民生活に対するな様々なモビリティ・ソリューションを提供し、シナジーの創出を期待していることを表明した。サービスエリアもインドネシアを中心に、ASEAN全域で展開を目指す考え。(佃モビリティ総研・松下 次男)