三菱自動車工業は4月8日、フィリピン共和国で、現地金融機関のセキュリティバンクと、三菱自動車を専門に取り扱う販売金融会社 「三菱自動車ファイナンスフィリピン株式会社」を設立する合弁契約を締結することで合意した。
新会社は2025年度に事業開始を予定しており、三菱自動車が51%、セキュリティバンクが49%を出資する予定。
このセキュリティバンク(所在地:フィリピン共和国マカティ市)は、フィリピン証券取引所上場の商業銀行。2023年12月末時点の総資産は8,720億ペソ(約2兆2,672億円)。今回の三菱UFJ銀行との戦略的提携により、グローバルなサービス提供を拡大していく構えだ。
ちなみに三菱自動車は、中期経営計画「Challenge 2025」の中でアセアン地域を「成長ドライバー」と位置づけ、経営資源を集中させ、多くの新モデルを投入することで販売・収益の拡大を図ることを明らかにしている。
そうした「成長ドライバー」の中でも、フィリピンの自動車市場は人口の増加と高い経済成長率とともに拡大を続けており、中期的にも持続的に力強く成長することを見込んでいる。
同国に於いて、多くの顧客が新車購入時にファイナンスを活用することから、自動車販売金融サービスは自動車購入時の重要な手段となる。そこで三菱自動車の合弁金融会社の設立については、セキュリティバンクが持つ豊富な販売金融商品とサービスを当社の顧客とディーラーに対して提供することが可能となるため、今後はフィリピンでの更なる販売拡大を推し進めていく構えだ。
この取り組みについて同社代表執行役副社長の中村達夫氏は、「当社はフィリピンで事業を開始して今年で61年を迎え、同国において高いマーケットシェアを占め強い市場プレゼンスを有しております。
当社にとって最重要市場の1つであるフィリピンで、現地の有力な金融機関の一つであるセキュリティバンクと提携できることは非常に楽しみです。この拡大を続ける市場で、販売金融事業を通じて、更に多くのお客様に三菱自動車の製品を提供できるようになることを楽しみにしております。
また、三菱自動車らしい製品と体験の両面を通じて、お客様によりご満足頂けるよう努力して参りたいと思います」と述べた。
対してセキュリティバンク社長兼CEOのサンジブ・ボラ氏は、「当社は、優れた顧客体験を提供することにコミットしております。三菱自動車と当社の両方の強みを組み合わせることにより、お客様のニーズに合った、より魅力的な自動車販売金融サービスを提供いたします」と語っている。