三菱ふそうトラック・バス(以下、MFTBC)は3月8日、イケアの日本法人イケア・ジャパンの配送向けに2020年内に電気小型トラック「eCanter」を合計3台納車したことを発表した。
家具メーカーへの「eCanter」の納車は、同社が初。3台のうち、2台がイケア・ジャパン保有、1台は同社の配送協力会社であるSGムービングの保有となる。
イケア・ジャパンは環境の保護・再生によって人、社会、地球にポジティブな影響をもたらすためにサステナビリティを強力に推進し、サステナブルな輸送への第一歩として排ガスの出ないゼロ・エミッションの「eCanter」を導入。イケアは、エネルギー関連の温室効果ガス排出量を2030年までに80%絶対的削減する目標を掲げるほか、2025年には100%の輸送を電気自動車にする目標を提示している。
その第一歩として、2020年3月に「eCanter」を2台、同12月には安全装備を拡充した改良モデル1台を導入。3台のうち1台はIKEA港北とIKEA原宿との店舗間の商品納品業務に利用され、2台は顧客の自宅向けの商品配送用途で使用されている。
「eCanter」は1充電あたり100kmの航続距離を確保し、ディーゼル車と比較して騒音がなく、振動も少ないため、特に都市内輸送に適している。夜間にも充電できるため、深夜や早朝の配送ニーズにも対応し、作業時間の効率化にもつながる。また、急速充電を繰り返すことでさらに長距離の走行も可能になるという。
IKEA港北とIKEA原宿間の配送で利用される「eCanter」は、店舗間の1往復による1日あたりの走行距離は平均で約50kmとなる。一方で、早朝から稼働して店舗間を2往復するケースでは、1日あたりの走行距離が100km以上に達することもあり、最大限の走行距離で稼働できることが実証されている。
MFTBCは商用車メーカーとしてCO2排出削減に向けた取り組みを加速し、2039年までに日本国内へ導入する全ての新型車両を走行時にCO2を排出しないCO2ニュートラル化にするビジョンを掲げている。国内外でのカーボンニュートラル化への動きが急速に進む中で、「eCanter」は商用車のゼロ・エミッション化において大きな役割を担っているとし、サステナブルな輸送の実現に向けて今後も取り組んで行くとしている。