三菱ふそうトラック・バス(以下、MFTBC)は8月11日、小型トラック「キャンター」の新型モデルを、欧州市場で発売すると発表した。この欧州向けの新型キャンターは、12月からポルトガルのトラマガル工場で生産される計画。MFTBCは、この生産開始に向け、8月から受注を開始する。
キャンターは、欧州をはじめとする様々な地域で、これまでに450万台以上が生産され、昨年には、欧州トラック市場の小型セグメント(10トン以下)で26%のシェアを記録。今年に入ってからも、ラストワンマイル配送の需要に支えられ、好調な販売が続いていると云う。
また、多様なニーズに対応するため、5つの重量クラス(3.5トンから8.55トン)、3種のエンジン、3種のキャビンバリエーションを展開。新型モデルでは、全ての車両が排出ガス規制「Euro VI Step E」に適合している。
欧州向け新型キャンターには、現行モデルから標準搭載している「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)」、「車両安定性制御装置(ESP)」、「車両逸脱警報装置(LDWS)」に加えて、新たに先進安全装置「アクティブ・サイドガード・アシスト(Active Sideguard Assist/*)」をオプション搭載。アクティブ・サイドガード・アシストは、走行中に助手席側の歩行者や車両をレーダーが感知するとドライバーにランプと警報音で警告、巻き込み事故や車線変更時の危険を抑制する。
また、昨年10月発表の国内向け新型キャンター同様、キャブデザインを一新。フロントフェイスに、国内でも採用しているデザインモチーフ「ふそう ブラック・ベルト」を導入し、共通のLEDヘッドランプ採用で、機敏かつ洗練されたイメージを表現。また、フロントグリルを車両組立工程の効率化が図れる構造としつつ、統一感のある外観を実現。キャブの遮音性も高めた。
MFTBCは、さらに進化を遂げた新型「キャンター」の投入により、欧州の小型トラック市場における事業強化を目指すとしている。
*欧州市場では「Active Sideguard Assist」機能を「Sideguard Assist」として展開。