三菱ふそうトラック・バス(以下、MFTBC)は、インド・チェンナイのオラガダム工場で、ふそうブランド初となる輸出仕様バス「BA」の本格生産を開始した。
「BA」は、DICVのインド国内向け商用車ブランド「バラート・ベンツ」の大型バスをベースに、欧州排出ガス規制「ユーロ5」に準拠する3.9リットル4気筒エンジン「4D37」を搭載。全座席への難燃材料や3点式シートベルト採用、ルーフハッチ搭載、大容量エアコンの標準搭載など、通勤・通学など法人需要を満たすモデルとなっている。
また開発は、UAE市場の定員30名以上の大型バスに対する需要に応えるため、ダイムラーグループ傘下のMFTBC、ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社(以下、DICV)、エボバス社(以下、エボバス)の3社により行われ、販売戦略をMFTBCとエボバスが、設計・製造をDICVが担当。ダイムラー・トラック・アジアによる協業の新たな段階を示した。
「BA」は、試験販売が昨年12月に開始され、今夏には本格的な発売を開始。UAE市場向けに既に100台が製造され、2023年末までに、累計800台超が生産される見通しだと云う。
UAEは、MFTBCにとって同車両に加え、川崎工場から小型トラック「キャンター」や中型トラック「ファイター」、三菱ふそうバス製造の富山工場から小型バス「ローザ」を、そしてDICVのオラガダム工場から中型トラック「FA」や「FI」、さらには大型トラック「FJ」や「FZ」を輸出するなど、2019年のシェア53%を超える中東・北アフリカ地域における最大市場。
現地販売は、1983年以来、ふそうブランド車両の総合販売代理店「Al Habtoor Motors(本社:アラブ首長国連邦)」が統括している。
[車両仕様]
– モデル:BA
– 車両総重量:9.6トン
– エンジン(出力):4D37(125kW/170hp@2500 rpm)
– トランスミッション:MO36(前進6段、後進1段)
– 定員:37名(乗客36名+運転手)
– 全長・全幅・全高:約9,080mm x 2,350mm x 3,137mm
– サスペンション:リーフ式サスペンション(フロントおよびリアにショックアブソーバー搭載)
– ブレーキ:空気圧式ドラムブレーキ(アンチロックブレーキシステム搭載)