奈良県三郷町と日産自動車、および日産の販売会社、奈良日産自動車は、1月24日、「電気自動車を活用した地域課題解決に関する包括連携協定」を締結した。
今後3者は、電気自動車の普及促進を通じた、温室効果ガスの削減や、災害対策の強化と地域課題の解決に取り組んでいく。
なお、日産と自治体・企業との災害連携協定本協定の締結は19件目。関西地域における「包括連携協定」は今回が初となる。
[協定の概要]
1.環境対策:電気自動車(EV)の普及促進による環境負荷低減
三郷町と日産は、電気自動車(EV)の環境負荷低減及び、災害時の電力供給活用を町民へ積極的にアピールし、普及促進に努める。また、三郷町が実施する、予約制乗り合いタクシー車両の電気自動車(EV)導入を促進する。
2.防災・災害対策:災害時における電気自動車(EV)活用による町民の安全確保
日産、奈良日産は、三郷町で災害発生を起因とする停電が発生した際または災害が起こりうる状況で町からの要請があった際に、三郷町が指定する避難所に、奈良日産の店舗に配備している電気自動車(EV)「日産リーフ」を無償で貸与する。
なお貸与は、電力の復旧が遅いと想定される地域の避難所での電力供給を想定。三郷町、日産、奈良日産が協力して電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、町民の生命及び身体の安全を守る。
3.安全対策:交通事故低減
高齢者ドライバーの安全対策の必要性に関する広報活動や、交通事故低減のための先進安全技術の啓蒙活動の推進。
4.交通弱者対策:高齢者など、交通弱者に対しての対策検討
交通弱者のための各種モビリティソリューションの検討。
5.地域活性化対策:電気自動車(EV)関連のイベント協力
三郷町と日産自動車は、町のイベントで使用する電力を電気自動車(EV)から供給することで、電気自動車の「動く蓄電池」としての活用を町民へ積極的にアピール、環境意識向上を目指す。
また、イベントを開催し、電気自動車(EV)普及促進のための出展や、電気自動車(EV)を用いた電力供給のPRを実施。さらに日産の環境教育プログラム「わくわくエコスクール」を通し、共同で環境への啓蒙活動の実施を検討する。
三郷町は、環境負荷低減、災害対策強化、地域課題解決に対して積極的に取り組んでおり、脱炭素社会及び災害にも強いまちづくりを推進。SDGs(持続可能な開発目標)に向けて優れた取り組みを提案する自治体として、昨年7月1日に「SDGs未来都市」として選定されている。
今年度三郷町は、予約制乗り合いタクシー事業において、「日産リーフ」とV2Hを導入。4月には、EVを対象としたV2H補助金制度と災害時協力登録制度の施行を進め、今後、計画的なEV導入を検討していく。