今日の自動車業界に於いて、繫がるクルマを意味する「コネクテッド」、自動運転車を意味する「オートノマス」、そしてサービスの利活用を表す「シェアリング」。さらに車両の電動化としての「エレクトリック」といういわゆる「CASE(ケイス)」の影響が深まっている。そうしたなか日本の経済産業省は、3月30日「自動車新時代戦略会議」を新設置すると発表した。(坂上 賢治)
これは中国を筆頭に、これまでの概念では自動車技術の世界で「追従国」と考えられていた旧態の産業構造自体が「ICTの影響」、環境問題の是正を踏まえた「車両の電動化」などの変化によって、日本の技術立国としての立場を揺るがす時代が到来しかねない。そんな時期が来ていることに理由がある。
そうした国際環境下で、日本の産業界が新たな自動車時代の到来を受け止めてリードし、環境問題や渋滞問題の解決等に積極的に貢献できるようにしていくためには、趨勢的なトレンドと不確実性等をしっかりと見極めて、長期的なゴールを差し示し、重点的に取り組むべき「方針の筋道」と「戦略の打ち出し方」を明確にしていく必要がある。
そこで同省では経済産業大臣を主催に据えた「自動車新時代戦略会議」を新設置し、上記を踏まえた具体的な戦略・戦術の検討を開始していくのだと云う。なお第1回の実施は、既に決定しており、来る4月18日の実施を予定していると云う。
なお同会議の委員は以下の通りとになっている。(計 15 名・敬称略)
- 秋池 玲子 :
株式会社ボストンコンサルティンググループシニア・パートナー&マネージング・ディレクター - 伊佐山 元 :
株式会社 WiL 共同創業者 CEO - 小久見善八 :
京都大学名誉教授 - 小飼 雅道 :
マツダ株式会社代表取締役社長兼 CEO - 小関 眞一 :
山形日産自動車株式会社代表取締役社長(一般社団法人日本自動車販売協会連合会会長) - 西川 廣人 :
日産自動車株式会社代表取締役社長・最高経営責任者 - 竹内 純子 :
NPO法人国際環境経済研究所理事・主席研究員 - 冨山 和彦 :
株式会社経営共創基盤代表取締役 CEO - 豊田 章男 :
トヨタ自動車株式会社代表取締役社長 - 長島 聡 :
株式会社ローランド・ベルガー代表取締役社長 - 信元 久隆 :
曙ブレーキ工業株式会社代表取締役会長兼社長(一般社団法人日本自動車部品工業会元会長) - 八郷 隆弘 :
本田技研工業株式会社代表取締役社長 - 水野 弘道 :
国連責任投資原則協会理事 - 村井 純 :
慶應義塾大学環境情報学部教授/大学院政策・メディア研究科委員長 - 村上由美子 :
OECD 東京センター所長
( MOTOR CARDSより転載 )