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2018年6月28日【政治経済】

経産省・経団連・日科技連、公開シンポジウムで品質問題防止策を提言

松下次男

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 今回の一連の問題でも、コネクテッド・インダストリーズの考えの下で、製造データや品質データを繋ぎ、ウソのつけない、また、改ざんのできない仕組みを構築し、信頼性の高い品質保証体制を構築していれば、未然に防止できた面もあるのではないかと思います。

 

 今日のパネルディスカッションでは、このコネクテッド・インダストリーズの観点からの取組により、品質保証と生産性向上の両方を実現しておられる事例をご紹介いただく予定になっています。こうした優良事例を参考にし、各企業で多様な取組が行われていくことを期待したいと思います。

 

 一方、こうした取組には、一定の設備投資が必要です。経済産業省として、一定のサイバーセキュリティ対策が講じられたシステムやロボットの導入によって、企業内外でのデータ利活用を図り、生産性向上を図る取組に対して、税制面からの支援も用意をさせていただいています。

 

 第3の柱は、ガバナンスの実効性向上です。さきほど申し上げた、システムやロボットなどを利用した現場での仕組みづくりに加えて、やはり、経営層・経営トップの皆さんに品質管理に対する意識を強く持っていただき、その意識を現場に浸透させる組織的な仕組みづくりが重要だと思います。

 

 私の感覚では、トップが頻繁に現場を訪れ、品質保証体制の重要性をトップ自らの声で訴えておられるような企業では、こうしたデータ改ざんといった事例は発生していないという風に考えます。

 

また、経済産業省としても、昨年12月から、グループガバナンスに関する研究会を立ち上げました。今回の事案が、子会社などを舞台に起きていることを踏まえ、子会社管理を含めたガバナンスの実効性向上に向けたベストプラクティスの収集整理を通じた検討を進めており、来年春頃を目処に実務指針を策定する予定です。

 

 さらに、今回の一連の事案のなかで、規格値を満たさないJISマーク製品の出荷という、非常に残念な事例も認められました。登録認証機関によるJISマーク認証の取消しが行われた事案も出ていることも踏まえ、JISマークを用いた企業間取引の信用性確保を図るための罰則強化などを盛り込んだ法律が、今国会で5月23日に成立しました。

 

4. これからのものづくりにおける危機感の共有

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。