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2018年6月28日【政治経済】

経産省・経団連・日科技連、公開シンポジウムで品質問題防止策を提言

松下次男

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 しかし、一連の問題が起こっております。そしてこの問題は、「サプライチェーン」という形で様々な企業が繋がっているという点を考えると、先人達が築きあげてきた、日本のものづくりに対する信頼や競争力を全体的に奪いかねない、深刻な問題だと認識しています。

 

 このような現状認識のなかで、不正事案が相次いだ今、経営層の皆さんに、日本のものづくりの競争力の源泉である「品質」を改めて考える契機となる場を設けさせていただき、経営トップ自らのイニシアチブの下で、腰を据えて品質保証体制の強化に努めていただくことが重要だと考えるに至りました。

 

 本日、このように大勢の経営層の皆さんにお越しいただけたことは、品質問題に対する産業界の強い関心を示すものだと思います。早速、今日から、具体的なアクションに結びつけていただきたいと、心からお願い申し上げたいと思います。

 

3.製造業の品質保証体制の強化に向けて

 

 昨年10月以降の相次ぐ製造業における品質検査データの書換え問題などを受け、経済産業省は、昨年12月22日、「製造業の品質保証体制の強化に向けて」と題する対応策を発表しました。折角の機会ですので、この対応策について改めて、簡単に説明させていただきたいと思います。

 

 まず第1の柱は、民間主導による、自主検査の徹底です。昨年12月、経団連自身が、一連の問題を、我が国企業に対する信用・信頼を損ないかねない重要な事態と受け止め、会員企業などに対して、品質管理に関わる不正事案の点検などを呼びかけました。また、日本アルミニウム協会、日本伸銅協会、日本ゴム工業会、日本化学繊維協会、石油化学工業協会では、業界の自主的な取組として、品質保証に係るガイドラインを策定していただきました。

 

 このような産業界の自主的な取組が進んでいることに、私は大変心強く感じていますが、品質保証体制の強化に終わりはありません。ここで品質問題の議論を終わらせるのではなく、今日のシンポジウムを契機に、今後も産業界全体で一連の問題をフォローアップし、日本のものづくりの競争力の源泉である「品質」を更に高める努力を継続していただきたいと思います。

 

 第2の柱は、コネクテッド・インダストリーズの推進による品質確保の仕組みの構築です。コネクテッド・インダストリーズは、データを仲介して、従来つながっていなかった機械や技術、人などさまざまなものが、組織、国境、業界を越えてつながることにより、新たな付加価値の創出や社会課題の解決を目指す産業のあり方です。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。