BMWグループは6月30日、「MINI Vision Urbanaut」の物理的なモデルを発表した。
「MINI Vision Urbanaut」は、MINIブランドが2020年11月にバーチャルなビジョンとして発表した、全く新しいモビリティの形。このモデルは2021年7月1日にミュンヘンの夏のDLDでデビューを予定している。
MINIは、忘れ得ない体験を実現し共にすることを将来の主要な役割と考えており、そのような体験を「MINIモーメント」と呼んでいる。MINIモーメントは「車で何を体験したいか?」を考えることから生まれ、MINI Vision Urbanautの概念的な基礎となっている。
MINIモーメントに従ってエクステリアもインテリアも変化。更に香り・サウンド・アンビエント照明がMINIモーメントの基本的な気分を強化する。このようなモーメントによる車両の変化はMINI Vision Urbanautの物理的モデルによって現実に体感できることになった。
多くの分野と同じくMINI Vision Urbanautもサステナビリティを重視している。
このコンセプトの出発点はMINIの特質である「空間の賢明な利用」にある。MINI Vision Urbanautは車高を高くとっているため、全長わずか4.46mの占有面積で最大の容積を提供。また電気駆動によって、ローカルにはゼロ・エミッション・モビリティを実現している。さらに、車両はモビリティ以外にも活用でき、停車中の車両を都会的なスペースとして利用することができる。
また、室内にはリサイクル素材が多く用いられ、ほとんどが再生ないし再利用可能な素材となっている。ステアリング・ホイールおよびフロアの一部には再生・再利用可能な材料であるコルクが用いられており、自然な手触りによって特別なアクセントを形成する。
MINIのモーメントの今ひとつの特徴として、統合的デジタル技術でアナログ的な体験を強化し、あるいは豊かにすることが挙げられる。「Analogue Love, Digital Connection」のコンセプトが車両全体に現れている。
たとえば、MINIトークンを置いてMINIモーメントを開始できるテーブル、OLEDディスプレイ付きランプ、室内の布の下またはフロントとリヤのLEDマトリックスなど、いずれもアナログ世界とデジタル世界を融合させて新しい没入型体験をもたらす。BMWグループのモデル製作によって、これらすべてが現実の車両モデルで体験できることとなった。
MINI Vision Urbanautの物理的モデルはミュンヘンのMINIデザインスタジオで完成された。ここではバーチャルなビジョンを物理的実体に転化するためBMWグループの総力を結集している。
ビジョンに具体的な形を与え、プロトタイプとして通用する品質を持たせるために、デザイナーと共に内装、モデル製作、メカトロニクス、プログラミング、塗装などの専門技術者が協働。こうしてMINI Vision Urbanautは静的なモデルではなく、走行し操作できるモデルとなった。