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2019年7月4日【オピニオン】

マツダ、ブランド力の強化を目指して車名を統一

山田清志

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 マツダはこのほど報道陣向けに国内販売についての事業説明会を開催した。その中で国内営業部門を担当する福原和幸常務執行役員は国内向けの車名を海外で使用している車名に統一すると明らかにした。

具体的には5月に全面改良した「アクセラ」を「MAZDA3」に変更したのに続き、7月4日に受注を開始した「アテンザ」を「MAZDA6」、近日発表予定の「デミオ」を「MAZDA2」という具合に、海外で使用している英数字を組み合わせた名称に変更する。ただ、「ロードスター」については、財産ということで例外扱いをして今後も継続していく方針だ。

 

「われわれは2012年からいろいろな取り組みをしていて、それが少し軌道に乗ってきたと思っている。7世代製品がMAZDA3から始まったのを機にわれわれは次のステージに行きたいと考えている。それを一言で言うと、個別製品で選ばれるのではなく、マツダというブランドで選ばれ続けたいということだ」と福原常務執行役員は説明し、こう付け加える。

 

 

「車名の変更については社内でもいろいろと議論をしたし調査もした。われわれがCX-5を出して以降、CX-3、8を出して、それが定着していったおかげかもしれないが、車名に対してはお客さまの抵抗もないという結果が出た。それでアクセラ、アテンザといった車名を変更することにした」

 

マツダは今年度から2024年度までの中期経営方針で「『人と共に創る』マツダの独自性」をスローガンに掲げ、ブランド力の強化を最重要視している。国内での車名の変更もその一環だが、それに合わせてクルマの改良も年次ごとに行っていく。

 

 というのも、安全技術やコネクティッド関連の技術は日々進化しており、3年もすれば陳腐化してしまう。そこで年次改良をすることによって、最新の安全技術やコネクティッド技術を搭載してお客に選ばれる存在になろうというわけだ。その結果がすでに出ているそうで、マツダ車からマツダ車へ5年以内に乗り換えるユーザーの割合が55%にのぼっているとのことだ。

 

また、販売店についても、7月中旬に連結会社の関東マツダの本社である板橋店を全面改装してオープンする。都内では洗足店、目黒碑文谷店、高田名馬場展に続く4番目となるブランド発信店舗で、都心でのプレゼンスを高め、情報発信の場所として活用していく。

 

 

「販売店については今後、30年で全面建て替え、10年で大型改装、5年でリフレッシュ改装していく。一時期にすべてを新しくすると、販売会社の負担も大変だし、老朽化するタイミングも同じになるので、それを平準化して絶えず最新の店舗にしていきたい」と福原常務執行役員は話す。

 

そこで働く職場環境も変えていく。これまでは個人のコミッションセールス中心だったが、それを改めてチームで販売していく。もちろん人事制度改革も行い、固定給の引き上げをはじめ、業務の標準化・平準化、システムサポートによって効率化し、接客・研修時間を捻出してやりがいのある魅力的な職場にしていく。

 

このように、マツダはブランド力の一層の強化に向けてさまざまな取り組みを行っている。あとはこの取り組みがいかに収益に結びつき、低い営業利益率が改善されるかが注目される。(経済ジャーナリスト・山田清志)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。