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2019年9月20日【トピックス】

マツダ、CX-30で成長するSUVシフトに対応

松下次男

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 マツダは9月20日、新型クロスオーバーSUV「マツダ CX-30」の予約受注を同日から開始したと発表した。丸本明社長兼CEO(最高経営責任者)は東京都内で開いた新車発表会で「世界的にSUVシフトが進んでおり、新たなクルマを投入することで、より成長できるだろう」と述べ、CX-30の拡販に期待感を示した。日本では10月24日から順次、販売を開始し、月間2500台の販売を目指す。(佃モビリティ総研・松下 次男)

 

日本に続きメキシコ工場で生産。他の海外拠点でも生産に乗り出す考え

 

 CX-30はマツダ-3に続く、新世代商品群の第2弾。グローバルで拡大するSUV市場を見据え、新たにラインアップしたもので、日本に続きこの9月からメキシコ工場で生産を開始し、さらに将来的に他の海外拠点でも生産に乗り出す考えを明らかにした。

 

 マツダはコンパクト、ミドルクラスのSUVシリーズとしてすでにCX-3、CX-5を市場投入しているが、今回のCX-30はこの中間に位置する。このため、カニバリズムの懸念もなくはないが、丸本社長は「競合というより、成長できるクルマだ」と強調。車格、デザインコンセプトで上級感を打ち出し、プレミアムブランドなどに対抗する。

 

 丸本社長は世界の新車市場について「SUVシフトは米国市場だけではない、欧州、オーストラリア、さらに中国でも進んでおり、グローバルで拡大している市場だ」との見方を示した。このため、CX-30を投入することで、SUVのラインアップが一段と充実し、アジア新興国を含めたグローバル市場で拡販、成長できるとした。

 

 

米国では販売店への誘引を愚直に進めていくことが大切。地域改善を継続していく

 

 新型CX-30は、新世代車両構造技術「スカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャー」を採用することにより、人間の感覚にフィットした乗り心地と操縦安定などを実現。また、パワートレインには2リッター新世代ガソリンエンジンの「スカイアクティブ-X 2・0」、2リッター直列4気筒ガソリンエンジン「スカイアクティブ-G 2・0」、1・8リッター直列4気筒直噴クリーンディーゼルエンジン「スカイアクティブ-D 1・8」の3タイプを設定した。

 

さらに全輪駆動車(AWD)には進化した「オフロード・トラクション・アシスト」機能を採用し、様々な路面環境で安心、安全の走りを提供する。わき見や居眠りを検知し警告するなどの予防安全でも最新技術を搭載。コネクテッドサービスでは、全機種に車載通信機を標準設定し、スマートフォンとの連携や緊急通報サービスに対応する。
丸本社長はCX-30を含めたマツダの事業展開について「日本では現在2万台のオーダーがあるなど、日本とメキシコではほぼ予定通りの進捗だ。オーストラリア、欧州もほぼ計画並みに推移している」と述べ、一部報道で流された苦戦報道を否定した。

 

 

 ただ、北米市場については全需が落ち込んでいることもあり、引き続き課題市場に掲げた。このため、米国では基本に返り「販売店に来てもらい、クルマに触って確かめてもらうこと。これを愚直に進めていくことが大切だ」と述べ、改善を継続していく考えを示した。
CX-30の国内販売は2リッターガソリンエンジン搭載車と1・8リッタークリーンディーゼルエンジン搭載車については10月24日から。新世代エンジン「スカイアクティブ-X 2・0」搭載車は2020年1月以降の販売予定だ。希望小売価格(消費税10%込み)は239万2500円~371万3600円。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。