赤字圧縮、通期見通しを上方修正へ
マツダは2月4日、電話会議方式で2021年3月期第3四半期の連結決算説明会を開いた。当期の連結売上高(4~12月累計)は上期の大幅減収を引きずり、前年同期比23.3%減の1兆9594億円とした。営業利益は当四半期単独で209億円の増益としたものの累計で320億円の赤字、当期純利益も当四半期単独で148億円の増益としたものの累計で782億円の赤字とした。(佃モビリティ総研・間宮潔)
通期の業績予想では、グローバル販売台数(小売り)を昨年秋公表の130万台(前期比8.4%減)に据え置くも、市場別では台数見直しを行なった。その結果、車種構成の改善や固定費の抑制が順調に進捗することから通期の売上高を500億円上積む2兆9000億円に上方修正した。
また通期営業利益も当初の400億円赤字からプラスマイナスゼロと修正。経常利益 も340億円の赤字から60億円の黒字に修正した。当期純利益でも当初の900億円の赤字に対して、500億円の赤字に圧縮する見通しとした。
昨年4~12月の日本市場でのマツダ車販売状況は、前年同期比18.2%減の11万4000台となったが、今年1~3月は前年並みの6万3000台を計画、通期で17万7000台(前期比12.4%減)とする。
昨年秋投入の新型SUV「MX-30」がデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことに加え、今年1月末、MX-30「EVモデル」を発売した。2050年の脱炭素、カーボンニュートラルの実現に向けて動き出したマツダの新たな顔として期待が込められている。
主力の北米市場は、通期で前年実績を0.9%超える40万台を計画している。カナダ、メキシコはマイナス成長となるが、新規投入したCX-30に加え、CX-5/CX-9などクロスオーバーSUVの販売増を見込む。
欧州は12月末時点でMX-30(EVモデル)の販売累計が約1万台と堅調だが、英国、ドイツでの落ち込みが大きく、通期で前期比31%減の18万2000台となる見通し。
中国は、CX-4/CX-5などクロスオーバーSUVの台数増に加え、新規投入のCX-30が寄与し、通期で24万台(前期比13%増)の増販に期待する。
その他市場は、オーストラリアでの回復に期待するも、ASEANでの市場回復の遅れがあり、通期で30万台(前期比13%減)を見通す。
なお連結業績に直接反映する連結出荷台数(他社ブランドを除く)では、通期で100万台、前期比18.9%減とした。