NEXT MOBILITY

MENU

2021年10月7日【テクノロジー】

マツダ、来年以降のクロスオーバーSUV拡充計画を発表

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

マツダは10月7日、来年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画を発表した。

 

計画では、米国新工場で生産する「MAZDA CX-50」や、ラージ商品群(*1)の「MAZDA CX-60」「MAZDA CX-70」「MAZDA CX-80」「MAZDA CX-90」を、来年から2023年にかけて新たに導入し、グローバルに成長を続けるSUVセグメントで、最新の環境性能と「走る歓び」を両立させた多様な選択肢をユーザーに提供。

 

これらの商品の拡充を、ビルディングブロック戦略(*2)に基づいて積み上げてきたSKYACTIV技術や一括企画、フレキシブル生産などの開発、生産の技術資産を最大限に活用することで、低投資かつ効率的に実現。中長期におけるビジネスの安定的な成長を図るとしている。

マツダ・ロゴ

米国に新たな中核モデルとして「CX-50」を投入

 

SUVらしさやオフロード性能が求められる米国で、ラインアップの中核として、MAZDA3やCX-30等と同じスモール商品群(*3)に属すクロスオーバーSUV「CX-50」を新たに導入。

 

「CX-50」は、トヨタ自動車との合弁で米国アラバマ州ハンツビル(Huntsville)市に建設した新工場「Mazda Toyota Manufacturing, U.S.A., Inc.」(MTMUS)で、来年1月から生産される予定。

 

 

グローバルにバラエティに富むラージ商品群を展開

 

既存モデルのCX-5や上記CX-50から上の幅広い価格帯に位置するモデルとして、2種類のボディタイプと2つのシートタイプ(2列と3列)からなるラージ商品群の「CX-60」、「CX-70」、「CX-80」、「CX-90」を展開。

 

道路や駐車場が比較的狭い欧州や日本には、2列シートのCX-60と3列シートのCX-80を、一方、より大きなサイズや存在感が求められる北米などの市場には、ワイドボディ2列シートのCX-70、3列シートのCX-90を展開し、ミッドサイズクロスオーバーSUVのラインアップを拡充させる。

 

 

<2022年以降導入予定のクロスオーバーSUV商品群>

 

■ラージ商品群

・MAZDA CX-60(2列シート):欧州、日本、他。
・MAZDA CX-70(ワイドボディ2列シート):北米、他。
・MAZDA CX-80(3列シート):欧州、日本、他。
・MAZDA CX-90(ワイドボディ3列シート):北米、他。

 

■スモール商品群

・MAZDA CX-50:米国

 

 

 

 

パワートレイン:地域に合わせた選択肢を提供

 

ラージ商品群では、各国での電動化ロードマップに対応し、様々な電動化パワートレインの選択肢を提供。電動化が進む欧州には、直列4気筒ガソリンエンジンとモーター駆動を組み合わせたプラグインハイブリッド(以下、PHEV)を中心に、新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」やクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」を直列6気筒化し、48Vのマイルドハイブリッドシステム(以下、MHV)を組み合わせることで、出力性能と環境性能を両立する。

 

一方で、よりハイパワーが求められる北米には、ターボチャージャー搭載の直列6気筒ガソリンエンジンに加えて、PHEVを展開することで、ユーザーニーズと環境対応を同時に進める。また、クリーンディーゼルエンジンの人気が根強い日本では、直列6気筒の「SKYACTIV-D」とMHVの組み合わせやPHEVなどを導入していく予定だと云う。

 

 

EV:ロータリーエンジン・レンジエクステンダーの導入も

 

さらに、並行してマツダ初の量産EVであるMX-30の拡販や、来年前半よりロータリーエンジンを発電機として活用するマルチ電動化技術を搭載したモデルの導入を進めると共に、2025年頃からはEV専用プラットフォームの商品群を導入。マツダでは、これら電動化モデルの導入を通じて、2030年には生産する全てのモデルの電動化を完了させる計画だ。

 

また、グローバルモデルのCX-5(2012年発売)については、今後も継続的な商品改良によってデザイン進化やモデルラインアップの拡充を図ると共に、最新の安全技術やコネクティビティ機能を導入する等して商品力を強化し続け、今後もマツダのクロスオーバーSUVラインアップのひとつとして大切に育てていくと云う。

 

 

マツダは今後もコーポレートビジョンに基づき、クルマ本来の魅力である「走る歓び」にあふれたカーライフを通じて、ユーザーとの間に特別な絆を持つブランドになることを目指すとしている。

 

 

*1:ラージ商品群のモデル:CX-60、CX-70、CX-80、CX-90。
*2:基盤となる技術群をブロックとして段階的に積み上げることで優れた技術を効率的に開発・展開する戦略。
*3:スモール商品群のモデル:MAZDA3、CX-30、MAZDA MX-30、CX-50。

 

 

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。