マツダは10月7日、来年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画を発表した。
計画では、米国新工場で生産する「MAZDA CX-50」や、ラージ商品群(*1)の「MAZDA CX-60」「MAZDA CX-70」「MAZDA CX-80」「MAZDA CX-90」を、来年から2023年にかけて新たに導入し、グローバルに成長を続けるSUVセグメントで、最新の環境性能と「走る歓び」を両立させた多様な選択肢をユーザーに提供。
これらの商品の拡充を、ビルディングブロック戦略(*2)に基づいて積み上げてきたSKYACTIV技術や一括企画、フレキシブル生産などの開発、生産の技術資産を最大限に活用することで、低投資かつ効率的に実現。中長期におけるビジネスの安定的な成長を図るとしている。
米国に新たな中核モデルとして「CX-50」を投入
SUVらしさやオフロード性能が求められる米国で、ラインアップの中核として、MAZDA3やCX-30等と同じスモール商品群(*3)に属すクロスオーバーSUV「CX-50」を新たに導入。
「CX-50」は、トヨタ自動車との合弁で米国アラバマ州ハンツビル(Huntsville)市に建設した新工場「Mazda Toyota Manufacturing, U.S.A., Inc.」(MTMUS)で、来年1月から生産される予定。
グローバルにバラエティに富むラージ商品群を展開
既存モデルのCX-5や上記CX-50から上の幅広い価格帯に位置するモデルとして、2種類のボディタイプと2つのシートタイプ(2列と3列)からなるラージ商品群の「CX-60」、「CX-70」、「CX-80」、「CX-90」を展開。
道路や駐車場が比較的狭い欧州や日本には、2列シートのCX-60と3列シートのCX-80を、一方、より大きなサイズや存在感が求められる北米などの市場には、ワイドボディ2列シートのCX-70、3列シートのCX-90を展開し、ミッドサイズクロスオーバーSUVのラインアップを拡充させる。
<2022年以降導入予定のクロスオーバーSUV商品群>
■ラージ商品群
・MAZDA CX-60(2列シート):欧州、日本、他。
・MAZDA CX-70(ワイドボディ2列シート):北米、他。
・MAZDA CX-80(3列シート):欧州、日本、他。
・MAZDA CX-90(ワイドボディ3列シート):北米、他。
■スモール商品群
・MAZDA CX-50:米国
パワートレイン:地域に合わせた選択肢を提供
ラージ商品群では、各国での電動化ロードマップに対応し、様々な電動化パワートレインの選択肢を提供。電動化が進む欧州には、直列4気筒ガソリンエンジンとモーター駆動を組み合わせたプラグインハイブリッド(以下、PHEV)を中心に、新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」やクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」を直列6気筒化し、48Vのマイルドハイブリッドシステム(以下、MHV)を組み合わせることで、出力性能と環境性能を両立する。
一方で、よりハイパワーが求められる北米には、ターボチャージャー搭載の直列6気筒ガソリンエンジンに加えて、PHEVを展開することで、ユーザーニーズと環境対応を同時に進める。また、クリーンディーゼルエンジンの人気が根強い日本では、直列6気筒の「SKYACTIV-D」とMHVの組み合わせやPHEVなどを導入していく予定だと云う。
EV:ロータリーエンジン・レンジエクステンダーの導入も
さらに、並行してマツダ初の量産EVであるMX-30の拡販や、来年前半よりロータリーエンジンを発電機として活用するマルチ電動化技術を搭載したモデルの導入を進めると共に、2025年頃からはEV専用プラットフォームの商品群を導入。マツダでは、これら電動化モデルの導入を通じて、2030年には生産する全てのモデルの電動化を完了させる計画だ。
また、グローバルモデルのCX-5(2012年発売)については、今後も継続的な商品改良によってデザイン進化やモデルラインアップの拡充を図ると共に、最新の安全技術やコネクティビティ機能を導入する等して商品力を強化し続け、今後もマツダのクロスオーバーSUVラインアップのひとつとして大切に育てていくと云う。
マツダは今後もコーポレートビジョンに基づき、クルマ本来の魅力である「走る歓び」にあふれたカーライフを通じて、ユーザーとの間に特別な絆を持つブランドになることを目指すとしている。
*1:ラージ商品群のモデル:CX-60、CX-70、CX-80、CX-90。
*2:基盤となる技術群をブロックとして段階的に積み上げることで優れた技術を効率的に開発・展開する戦略。
*3:スモール商品群のモデル:MAZDA3、CX-30、MAZDA MX-30、CX-50。