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2020年7月16日【エネルギー】

マセラティ、ギブリにブランド初のハイブリッドモデルを追加

坂上 賢治

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 マセラティ(Maserati S.p.A.、本社:伊・エミリア=ロマーニャ州モデナ、CEO:ハラルド・ウェスター)は欧州時間の7月16日、イタリア当地に於いてデジタルワールドプレミアイベントを実施。2013年の発表以来、10万台以上が生産されてきた同社のミドルクラスセダン〝ギブリ〟にマイルド・ハイブリッド仕様を追加したと発表した。(坂上 賢治)

マセラティブランドのクルマにハイブリッドユニットが搭載されたのは、この「ギブリ ハイブリッド」が初。また今イベントを介しての世界披露も初となった。これによりマセラティは高級車マーケットに於いてニーズが高い電動化の世界にようやく足を踏み入れた。

 

 

 壇上で公開されたギブリ ハイブリッドは、モデナ所在のマセラティ・イノベーション・ラボが開発したいわゆるマイルドハイブリッドユニットが搭載された。最高出力は330PS/5750rpm・最大トルク450Nm/4000rpmを発生する直列4気筒 2.0リッターの内燃機関に、48Vのオルタネーター + eブースター + バッテリーを組み合わせた同社が言う〝eBooster+48V BSG マイルドハイブリッドエンジン〟となっている。

 

 

パフォーマンスは0-100km/hを約5.7秒で走り切り、最高速度は255km/hに達する。高級車セグメントと言えども昨今は厳しい要求が突きつけられているWLTP燃料消費率は100kmあたり8.5~9.6リッターだという。なおバッテリーを車両後方に搭載したことで、車両自体の重量配分を最適化したと謳っている。加えてエキゾーストラインの流体計算を行い、共振器を介してマセラティ独特のエンジンサウンドを創り出したとしている。

 

 

 外装では、お馴染みの音叉をモチーフとした新デザインのダブルブレードのフロントグリルを採用。さらに三連形状のサイドエア・ベント、ブレーキキャリパー、Cピラーのロゴなどにクリーンなクルマの象徴として通例となっているブルー(ハイブリッド専用)があしらわれている。

 

 

ボディサイズは全長4971×全幅1945×全高1461mm、ホイールベースは2998mmだ。車両重量については、従来のディーゼルモデルに比で約80kgの軽量化を達成した。リアテールランプは、ジョルジェット・ジウジアーロが手掛けた3200GTとアルフィエーリをオマージュとしたブーメラン・シェイプになっている。

 

 

インテリアでもシートステッチやヘッドレストのトライデントロゴ、ドアパネル、ダッシュボードにブルーのアクセントカラーが施され、インフォテインメント・システムはAndroid Automotiveをベースの〝マセラティ インテリジェント アシスタント マルチメディア システム〟をアップデート。スクリーンは8.4インチから10.1インチに拡大された。

 

 

 車両発表にあたり、マセラティ製品企画責任者のフランンチェスコ・トノン氏(Francesco Tonon)は「ギブリ ハイブリッドは、マセラティの電動化計画の第一歩のモデルです。来る2021年にはマセラティ初の100%ピュアEV〝グラントゥーリズモ〟と〝グランカブリオ〟をリリースしていく予定です。

 

また今発表のギブリ・ハイブリッドの生産開始はイタリア グルリアスコ(トリノ)のアヴォカート・ジョヴァンニ・アニエリ工場(AGAP)から9月から生産を開始。ヨーロッパと中国では10月末からデリバリー開始となり、その他の国でも順次導入されます」と述べた。なお日本国内への車両導入時期についてはまだ決まっていない。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。