マクニカは6月16日、芙蓉総合リース及び芙蓉オートリースと自動運転の社会実装に向けた業務提携を行ったと発表した。
現在日本では、移動自由の確保やドライバー不足への対応、CO²削減や自動車事故削減など、交通に関わる多くの社会課題を抱えている。そして昨今では、これら諸問題を解決するため、各地で自治体や交通事業者等により自動運転の導入検討が進んでおり、自動運転の実用化に向けて実証実験の取り組みが加速している。
しかしながら、実証実験を行うには、プロジェクトの要件定義から技術、運用における検証項目及び調査方法の設定、関係各所の調整や実施ガイドラインの策定など、煩雑なプロセスが多く存在する。さらに、自動運転の走行には画像、センサー情報による自動運転プラグラムの生成など高度な専門技術が不可欠であり、実証実験の運営においても安全な運行管理や検証データの収集などの対応が求められる。また、実証実験のテストオペレーションの段階において自動運転車両を保有することは、設備投資や車両管理においても負担が大きくなる。このように自動運転の実用化に向けた取り組みを加速する一方で、実証実験を進めるにあたっては多くの課題が存在している。
そこで、マクニカと芙蓉総合リース及び芙蓉オートリース(以下芙蓉リースグループ)では、今回の業務提携を通じて互いが保有する強みを組み合わせ、「自動運転実証実験支援サービスプログラム」を共同で構築し、実証実験におけるこれらの課題解決を目指す。
マクニカでは、自動運転技術の知見やコンサルティングの実績をベースに実証実験の企画立案から自動運転の実装作業、オペレーションまで、顧客の総合窓口として実証実験をトータルサポート。芙蓉オートリースでは、得意とする自動車のアセット管理や車両リースの事業基盤を活かし、マクニカからNAVYA(ナビヤ) SA製の自動運転車両「NAVYA ARMA」を購入、保有し、実証実験の実証車両としてマクニカに提供する。
これによって、マクニカでは、顧客に対して車両の提供を含めた包括的な自動運転実証実験の支援を実現。また、芙蓉総合リースでは、同社事業にて様々な自治体や交通事業者等の顧客基盤を有しており、このサービスプログラムを提案する顧客リレーションにおいて連携していく。
このように各社の強みを組み合わせることで、自動運転の実証実験における課題を解消し、自治体や交通事業者等の取り組みを支援するサービスプログラムとして提供していくとしている。
さらに、今後について、マクニカと芙蓉リースグループでは、「自動運転実証実験支援サービスプログラム」に加え、自動運転のサービス運用向けの自動運転車両リースのプログラム開発を進めていく。
また、自動運転のサービス運用においては、定期的な車両の点検や整備などのメンテナンスが必要となり、各サービスの運用場所ごとに現地対応が求められるため、芙蓉リースグループが所有する全国の整備工場ネットワークを活用し、自動運転のサービス運用におけるメンテンナンスサポートの体制構築等を進めていく。
マクニカと芙蓉リースグループは、両社の強みを組み合わせることで自動運転の社会実装を加速し、様々な社会課題の早期解決に貢献していくとコメントしている。
■NAVYA(ナビヤ)
NAVYAは2014年にフランスで創業した自動運転ソリューション(自動運転車両)を提供するリーディングカンパニー。“ファースト&ラストマイル”をコンセプトとする同社の「自動運転シャトルバス」は、公道を走行することもでき、これまでに20か国以上で200台以上の導入実績がある。
https://www.macnica.co.jp/business/maas/products/133978/