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2024年7月16日【新型車】

電動マカンのラインナップにマカンとマカン4Sを追加

坂上 賢治

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ポルシェジャパンは7月17日、新型のマカン、マカン4、マカン4S、マカンターボの予約受注を、全国のポルシェ正規販売店で開始する。なかでもフル電動モデルに追加した後輪駆動マカンはモデルラインナップを2倍に拡大。効率性を大幅に高めており、WLTP複合航続距離はEU仕様で最大641キロメートルを記録する。

 

また新型マカン4Sはシリーズ中、最上位の380kW(516 PS)の出力を発揮。電子制御のポルシェトラクションマネジメント(ePTM)システムも搭載しているため、従来の全輪駆動システムよりも約5倍速く前輪と後輪の間で駆動力を分配できるようになった。それらの特徴により同車は、2024年初頭に導入されたマカン4とマカンターボの間のギャップを埋める存在となった。また全てのモデルで新たなオフロードデザインパッケージも用意される。

 

 

一方、電動SUVのエントリーモデルとなる新型マカンも100kWhの高電圧バッテリーを搭載。駆動力は直径210 mm、有効長200 mm、出力250 kW(340 PS)のマカン4に使用されている後車軸モーターから提供される。

 

更に搭載する電気モーターには高効率半導体材料のシリコンカーバイド(SiC)を使用して効率を高めた480アンペアのパルスインバータ(PWR)も用意された。これはPWRのスイッチング損失が大幅に削減されてスイッチング周波数が向上。

 

 

ここにローンチコントロールと組み合わせると、マカンは最大265 kW(360 PS)のオーバーブーストパワーと563 Nmの最大トルクを発生。停止状態から5.7秒で時速100 kmに到達して最高速度は220 km/hを叩き出す。しかも後輪駆動のみのマカンは、全輪駆動ゆえの複雑さから解放されて、マカン4よりも110kg軽い。従ってWLTPの総合航続距離は最大641km (EU仕様)を刻むことができる。

 

対してマカン4Sには、新しいリアアクスルモーターと強力な600アンペアのSiCパルスインバーターが搭載されている。電動モーターの直径は230 mm、有効長は150mm。 マカン4およびマカンターボにも使用されるフロントアクスルモーターと組み合わせると、システム出力は330kW (448PS) になり、短時間のパワーオーバーブーストを組み合わせると最大 380kW (516PS) になる。

 

更にローンチコントロールを使用すると、最大トルクは820Nmに。その結果、マカン4Sは0から100km/h加速を4.1秒で駆け抜け、最高速度は240km/hを記録する。WLTPの総合航続距離は最大606km(EU仕様)となる。

 

 

そんなマカン4Sには、ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)が標準装備される。これはレベリングシステムと、高さ調整機能を備えたアダプティブエアサスペンションで、ポルシェトルクベクトリングプラス(PTV Plus)、およびリアアクスルステアリングにより、パフォーマンスと快適性の双方を高めることができる。

 

 

これら2つの新型モデルは、プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)の800ボルトアーキテクチャを採用。空力特性(cw = 0.25)を高めたザインとが相まって、先代よりも大きく航続距離を稼ぐことができている。先のスタイリングを含めたエクステリアでは、新しい外装色のスレートグレーネオが、すべてのマカンモデルで適応される。20インチのマカンSホイールもホイールポートフォリオに追加された。

 

新しいオフロードデザインパッケージでは、フロントバンパーの形状が変更されたことでモデル毎に異差があるものの、アプローチアングルが最大17.4度まで増加させられ、アダプティブエアサスペンションと組み合わせれば、最低地上高が標準設定より10mm高い195 mmになり、荒れた未舗装道路や特に急な上り坂や下り坂での乗りこなしが楽になった。

 

 

このオフロードデザインパッケージを選択した場合、フロントバンパー、サイドスカート、ディフューザーパネル、ルーフレールはベスビウスグレーと外装色を提供。ベスビウスグレーの21インチオフロードデザイン ホイールも用意される。

 

またオフロードデザインパッケージを選択した場合、車両の外装色でサイドブレードも塗装される。ルーフレールは、ブラック、シルバー、ターボナイト(ターボのみ)から選択可能だ。マカン、マカン4、マカン4S でベスビウスグレーのインレイを備えたオフロードフロントバンパーを装着した場合、オフロードデザインパッケージと同様にアプローチアングルが拡大する。

インテリアではマカンの電動化が進んだことで、インストルメントパネル廻りは、新しいディスプレイとコントロールシステムが導入された。そのドライバーエクスペリエンスは、視覚上効果を高めつつも、一方で素早く確実な操作が求められる部分もあるため、デジタルとアナログの要素を組み合わせた。

 

具体的には、12.6インチの曲面ディスプレイを備えた計器クラスター、10.9インチの助手席ディスプレイ、拡張現実技術を備えたヘッドアップディスプレイ、コミュニケーションライトを備えたアンビエント照明などが含まれている。また全てのマカンのスクリーンデザインも完全刷新した。

 

 

新型マカン価格(2024年7月16日現在)

車種:変速機:ハンドル:希望小売価格(消費税込)
マカン:8速PDK:右:¥9,980,000
マカン4:8速PDK:右:¥10,450,000
マカン4S:8速PDK:右:¥11,960,000 
マカンターボ:8速PDK:右:¥15,250,000

 

<顧客からの問い合わせ先>
ポルシェコンタクト 0120-846-911 / HP: https://www.porsche.com/japan/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。