トヨタ自動車傘下のレクサス(LEXUS)ブランドは3月30日、バッテリー式電動自動車(以下、BEV)専用モデルとなる新型「RZ(RZ450e)」を、同日発売したと発表した。
レクサスでは、新型RZの最初の500台を発売記念・特別仕様車の“ファースト・エディション(First Edition)”として販売。通常モデル(Version L)の税込み価格は880万円。ファースト・エディションは940万円となっている。
2005年、レクサスはラグジュアリー市場に於いて、優れた走行性能と環境性能の両立を追求した「RX400h」を発売。2019年には、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)等の電動車の普及を通じ、カーボンニュートラル社会の実現を目指す電動化ビジョン「Lexus Electrified」を発表した。
新型RZは、レクサス初のBEV専用モデルとして、電動化技術がもたらすレクサスらしさを走りとデザインで体現。BEVを軸とするブランドへの変革の起点となるモデルになっていると云う。
具体的には、BEV専用プラットフォーム(e-TNGA)の採用に加え、バッテリーやモーターの最適配置による理想的な慣性諸元や、軽量かつ高剛性なボディを実現させることで、車両の基本性能を大幅に進化。また、電動化技術を活用した四輪駆動力システム「DIRECT4」の採用などで、より人とクルマが一体となった気持ちの良いドライビングフィールをもたらしている他、ドライバーにクルマの状態変化を自然に伝える音作りを、新たな開発拠点となる「トヨタ・テクニカル・センター下山(Toyota Technical Center Shimoyama)」にて追求。これら作り込みや、走りの味「レクサス・ドライビング・シグネチャー(Lexus Driving Signature)」を進化させていると云う。
エクステリアデザインでは、BEVならではのシームレスな加速感とトルクフルな躍動感を表現。スピンドルグリルも、内燃機関の冷却などの必要がないBEVの機能的な進化や更なる空力性能向上を目指して、「スピンドルボディ」という塊感のあるボディと一体となった造形に。レクサスの独自性を表現することに挑戦することで、新たなデザインの方向性とBEVらしさを両立した。
またインテリアデザインでは、SDGsやサステナブルなモビリティを中心に考え、素材や装飾による演出に頼らない、洗練された空間づくりにこだわり、機能的本質を追求したシンプルな設えの中にも、モノづくりの細やかさや上質さを感じられる空間を実現。その他、開放的な空間づくりに寄与するパノラマルーフや、輻射熱ヒーターを含めた空調の協調制御による高効率な暖房システムにより、快適な室内空間が提供されると云う。
なおレクサスでは、RZ450eの発売に併せて、BEVと共に過ごす時間をより豊かにするためのサービスプログラム「レクサス・エレクトリファイド・プログラム(LEXUS Electrified Program)」の提供を開始する。
[主な特長]
1.電動化技術活用のレクサスならではの乗り味の進化
・ドライバーの意図に忠実な走りを支える新四輪駆動力システム「ダイレクト4(DIRECT4)」。
・BEV専用プラットフォームの採用と素性の進化による高い運動性能の実現。
・レクサスのDNAである静粛性の高い空間と音作りの両立。
走りに貢献する空力性能とBEVならではの先進的なデザイン。
長年HEVで培った技術を活用したBEVシステム。
機能的本質やパフォーマンスに根差したプロポーションと独自性を追求したデザイン。
2.独自性を強調するプロポーションと新表現「スピンドルボディ」
・電動化技術がもたらす走りの躍動感を表現したサイド、リヤデザイン。
・BEVらしさを引き立てるエクステリアカラー。
・クリーンで開放的なおもてなし空間。
・走りの楽しさを最大化させるコックピット。
・居心地の良い室内を彩るアンビエントイルミネーションとインテリアカラー。
3.先進安全技術とおもてなし機能
・先進の予防安全技術「レクサス・セーフティ・システム・プラス(Lexus Safety System +)」
・快適な移動を支える「レクサス・チームメイト(Lexus Teammate)」
・心地よい空間を支えるおもてなし機能。
・先進技術による新たな機能価値。
・先進性と利便性を高めたマルチメディアシステム。
・安心と快適さを追求した「Gリンク(G-Link)」。
DIRECT4の作動イメージ。
普通充電システム(左)と急速充電システム(右)。
[主要諸元]
– 全長:4,805mm
– 全幅:1,895mm
– 全高:1,635mm
– ホイールベース:2,850mm
– タイヤサイズ:18/20インチ
– 航続距離:494km(*)
– 電費:147Wh/km(*)
– 総電力:71.4kWh
– 急速充電規格:CHAdeMO
– 最高出力[PS]:フロント150kW[204]/リヤ80kW[109]
– 最大トルク[kgf・m]:フロント266N・m[27.1]/リヤ169N・m[17.2]
*J-WLTCモード・20インチ装着車。
[メーカー希望小売価格](消費税10%込み/*)
<グレード、駆動、価格>
– RZ450e “Version L”、AWD、¥8,800,000
– RZ450e “First Edition”、AWD、¥9,400,000
*北海道地区のみ価格が異なる。リサイクル料金は含まれない。
レクサスは、電動化技術を用いた基本性能の大幅な進化を実現し、レクサスのバッテリーEVならではのドライビング体験やライフスタイルを提供すると共に、カーボンニュートラル社会の実現に貢献すべく、今後も電動車の開発と普及を加速していくとしている。